Saturday, August 5, 2023, 09:40 AM
宣伝をしないという戦略で、何も予備的な情報がないままに最新宮崎アニメ「君たちはどういきるか」を観てきました。
夏休み中ですが、観客はほとんど大人。子供連れは見当たりません。
タイトルから当然、吉野源三郎の本に沿った内容だと思い込んでいました。
空襲で母を亡くした少年が疎開することから場面は始まります。なじめない学校生活
少年期の心の傷からの物語の展開が進むのか・・・
と思ったら宮崎駿のファンタジーワールド全開
もののけ姫的であり、千と千尋の神隠し的であり、未来少年コナン的であり、風立ちぬ的でありと過去の宮崎ジブリアニメを詰め込んだという感があります。
死は母だけなのですが、少女として現れます。黄泉の国で大王である大叔父の存在等々、この世とあの世の話です。
本作は遺作としての宮崎駿の死生観なんだという感想です
宮崎駿は主人公の少年であり、大叔父であり、そこへ導いたアオサギに投影している気がしてなりません。
過去ログ;「君たちはどう生きるか」は正しい『愛情』を教えてくれる
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Sunday, July 23, 2023, 09:45 AM
こころを旅する数学 ダヴィッド・ベシス著 野村真衣子訳 晶文社 2,640円
「こころを旅する数学」全国紙各紙で書評されていたので、手にしてみました。フランスの数学者による数学自体の解説です。私と同世代。
数学的な才能は奇異の目で見られがちだが、じつはそうでもない。
魔術の種明かしを知ってしまえば、ああなんだ、そんなもんなんだと誰もが思うだろうということを、これでもかと書き綴っています。
数学書なんですが数式は一切ありません。
想像できるかどうか、想像することが数学なんです。
一億円引く1円はいくら?と言われれば、誰でも答えることができるでしょう。もしくは9を8つ並べればよい。
でも古代ギリシャの時代なら一億という巨大な数の概念はなかったのです。
そんなといっても昔の日本でも数とは数えられるまでのものだったのです。
そして脇に平積されていたゲーテルの本もついつい一緒に購入してしまいました。
クルト・ゲーテル Journey to the Edge of Reason
スティーブン・ブディアンスキー著 渡会圭子訳 森北出版 2,970円
ゲーテルの理論は難解で、私の大学時代の教授もゲーテルはいまだ頭がついていかんと言っていたので興味があるわけです。
これはまったく机に置きっぱなし
エーテル医学への招待 崎谷博征著 秀和システム 1,760円
崎谷博征氏の新刊「エーテル医学への招待」はすごい本です。脳外科医である崎谷博征氏がばっさりと現代物理を斬りまくります。
言い換えれば、形而上学(けいじじょうがく;metaphysics)の入門書であるとも言えます。
形而上学とは英語でメタフィジックスと言いますが、メタとは”土台”という意味
フィジックス(物理)の土台の考えだからメタ+フィジックス
これが内容がすげーのです。
脳みそがぐるんぐるんしてきます。なぜならすでに定説となったアインシュタインやファインマン物理学の嘘八百をこれでもかと突き付けているから。
うん、どれが正しいんだ!?んじゃあ今までの信じ込まされてきた知識はなんだったんだ!?と自問せずにはいられない内容です。
エーテル医学への招待(崎谷博征著)とこころを旅する数学(ダヴィッド・ベシス著)の書評(読書感想文)はなるべく早く書き上げたいと思っています。
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Tuesday, July 18, 2023, 08:45 PM
海の日を含めた三連休は福島県の会津磐梯山を堪能してきました。
福島駅から磐梯吾妻スカイラインを自転車で登ります。標高1400mもありますが、途中の高湯温泉で一泊します。
人気上位の温泉地で、泊まった宿も人気ナンバーワンの安達旅館というところ。
うん、雰囲気良いね。
白濁した硫黄のお湯はとてもいい。ついつい長湯してしまいます。食事も凝っていて、各テーブルが囲炉裏となっています。
予約してくれた友人は、奥様のお気に入りの宿で、記念日には必ずここを指定するそうです。
女の選ぶ宿というのは確かに文句なし
めったに口にすることができないからと勧められて「飛露喜」(ひろき)という幻の地酒をいただきました。
自分ひとりだったら頼みずらい金額です。
あとは一人旅。裏磐梯、表磐梯を堪能して、会津若松経由で浅草に帰りました。
下界に降りると、とたんに暑く(37度)で、自転車では倒れそうです。
特急が一つだけ空いていて、幸運でした。
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Sunday, June 18, 2023, 05:03 PM
主な産地を日本地図に表示したものが瀬戸物市の新聞広告にありました。
知らない産地もありました。
浅草にはかっぱ橋道具屋筋があります。瀬戸物がたくさん陳列されています。
産地を知っていれば、いっそう散歩を愉しめます。
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Sunday, June 11, 2023, 12:08 PM
さめざめと雨が降っていますが、お囃子が響き、神輿の掛け声、わっしょいわっしょと
勢いの良い声が聞こえてきます。
がまんできずに、自分も群衆のほうへ行ってみました。
ざんねん、神輿は鎮座されてしまいました。
鳥越神社の祭りも浅草を代表するお祭りです。圧巻は巨大なおみこしですごく重いそうです。
この地域で住み商売をするということは自動的に氏子となり、町内会に所属することになります。
そして祭りから子供会や敬老会、消防隊にと地域への貢献が求められます。
都心で住居を構えても地域との強制的な繋がりがあります。どこでも。
最低でも奉加帳(ほうがちょう)が回ってきたら金一封を渡さないといけないそうです。
久しぶりの鳥越の祭ですが、4年前にもブログをあげていました。たしかに久しぶりの賑わいです。
(追記)午後からは鳥越神社の神輿が通ります。御覧の通り路地は法被姿があふれています。
過去ログ;
浅草は三社祭だけではありません
本日はここ元浅草では鳥越祭です、わっしょい!
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Saturday, May 20, 2023, 06:08 PM
晴れたので出てみたら大通りは神輿でにぎわっていました。
そうだ今日と明日は三社祭だ。
神輿はここ数年中止になっていて、トラックの荷台に載せられて一巡するだけでした。
この時期は大勢のねじり鉢巻きに法被姿が跋扈するので、 眺めるのには面白い。
以前住んでいた西浅草地区は、入れ墨のファッションショー状態でした。コロナ前は観光客に撮ってもらっては、彫り物をいれたみなさんご満悦です。
でも、浅草という地域もここ10余年で下町の風情は大きく変わってしまいました。
戸建ての街並みがどんどんホテルや高層マンションとなり、人は流入したのですが、もともと住んでいた人ではないから、氏子ではないのです。
新参者はよほどのことがない限り、消防団や青年団といったものに加わることがない。
だからどの地区も神輿の担ぎ手が足らないそうです。きれいなマンションが建つたびに地域の縁がどんどん希薄になってとぼやいてました。
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Saturday, May 20, 2023, 05:27 PM
青森県六ケ所村に日本原燃(株)という会社が建設中の燃料再処理工場というものがあります。
今年30年目を迎えたという新聞記事がありました。
陸奥新報 2023年5月6日
http://www.mutusinpou.co.jp/shasetsu/2023/05/75793.html
再処理着工30年「真摯に審査と向き合うべき」
日本原燃の再処理工場(六ケ所村)が着工30年を迎えた。日本初の商業用再処理施設として1993年に着工したが、完成は既に26回延期され、現在の目標は2024年度上半期。しかし原子力規制委員会(規制委)の審査は難航しており目標通りの完成は見通せない。原燃は「安全・安心が第一」との初心に立ち返り、真摯(しんし)に審査と向き合うべきだ。
原発の使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理工場。工事は全体の99%まで進んだが、その工事が規制基準の要求に応えているかの審査が続いている。
具体的には対象となる機器や設備が膨大な数に上ることから、類型化した上で代表的な例を挙げ、審査することになっている。
ただ、昨年末の申請では大量の不備が見つかり、実質的な議論は進んでいない。原燃は自己責任で残る工事を進めているが、審査結果次第ではやり直しとなる可能性もある。
先日行われた原燃の増田尚宏社長との意見交換で、規制委側からは完成目標を掲げることが現場にプレッシャーを与えているとの見解が相次いで示された。委員からは「着実に積み重ねた目標に変えるべき」などの指摘があり、原燃側の体制が問われているのが現状だ。
増田社長は先月25日の定例会見で、審査に臨む体制を強化したことを明かした上で、着工30年については「地元の期待に応えられず残念。30年すぎて完成していないことは普通ではあり得ない」と語った。
再処理工場の完成が不透明な中、政府は「核燃料サイクル推進」を2月に閣議決定した「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」で堅持。しかし高レベル放射性廃棄物の最終処分地は未定。再処理工場で取り出すウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を既存の原発で利用する、プルサーマルも目標の12基には遠く及ばない4基にとどまっている。
全国の原発の敷地内で保管されている使用済み核燃料は増え続け、貯蔵能力の約8割と限界に近づいている。岸田政権は今夏以降、原発7基の追加再稼働を目指すが、新たな施設を建設するなど貯蔵能力のアップは避けて通れない。
プルサーマルの拡大も地元同意が課題となる。政府は交付金制度を新設して推進する方針だが、受け入れに動く自治体が現れるか不透明だ。
最終処分地の選定はまったく進んでいない。政府は2月の関係閣僚会議で「政府の責任」を明確化し、自治体への働き掛けを強化する基本方針をまとめたが、候補地調査に協力しようとする地域が増える可能性は低い。
それでもサイクル政策が堅持される以上、再処理工場の必要性は変わらない。改めて原燃は規制委側の要求に向き合い、審査を通じて安全性を立証する責務を認識すべきだ。
言っときますが、創業30年ではないですよ…竣工から30年目(笑)
これも平成4年に”にぎにぎしく”完成披露されて、稼働から一か月も経たずに冷却材漏れで止まったままの高速増殖炉「もんじゅ」と同じ時期、平成5年(1993年)に建設が始まったのです。
もんじゅと同じく使用済み核燃料が再び、燃料に生まれ変わるという待望の施設であったわけです。
まだ青函連絡船があり、原子力船「むつ」が係留されていたころ旅行したことがあったので、当時の風景はよく覚えています。
本来、六ケ所村の燃料再処理工場は26年前(平成9年ごろ)には完成して、次々に各地の原子炉から燃料棒が運ばれてくるはずなのに、30年たっても出来上がりません。
実際は出来上がってはいるのですが、いまだに工事中です。それはなぜかというと
2001年9月11日のロックフェラービルへの航空機テロで、原子力施設への防御が急遽要請されたから。
ジェット機やミサイルが飛んできても、壊れないようにもっと堅牢にしろという通達があったからです。
その工事が済んだ頃に、12年前の福島第一原発の事故で、地震や津波の対策が求められたからです。
防波堤を高くしたり、非常用電源を高い場所に移転させたり、事故が起きた場合を想定して消防設備、避難施設や指令所を離れた地点を設ける等々次々と要求だけが高くなっていきます。
だからいつまでたっても工事は完成せず、30年前に据え付けられた機械や設備もどんどん古くなっていますから、更新したり、保全修理がなされているだけなのです。
30年たっても稼働しない工場って、たぶん世界中見渡してもここだけです。
30年間1円も売り上げがないのが日本原燃(株)という民間企業です。
民間企業といっても全国の発電事業者、つまり東電や関電ら9社が出資している非上場企業です。
原子力発電所で溜まり続ける使用済み核燃料を減らすためには、絶対に必要な施設なのですが、なぜかマスコミではごみ焼却施設か火葬場以上の迷惑施設かのように報道されています。
原子力関連施設は自衛隊のように存在悪だと信じ切っている人もいるのです。
完成するかしないかという生殺与奪(せいさつよだつ)は、ひとえに原子力規制庁と原子力規制委員会という許認可役所が握っています。
ただ、地方裁判所の判例とおなじく、ちょっと偏った思考を持つ専門家も紛れている。
役人というのは本能的に自分の責任になることを極端に嫌い、責任は他人で功績は自分ということを行為の基本としていますから、重箱の隅をつつくような話が延々と続くわけです。
そしていつまでも建設完了のお墨付きがもらえない。
国の施設である高速増殖炉「もんじゅ」は建設に16兆円かかり、毎年300〜600億円程度が維持のために垂れ流し続けています。
もちろんこのお金は税金です。
一方、六ケ所村の再処理工場も総工費はだいたい同じで30年間同様に工事中のまま。この間にも雇用者には給料が支払われています。
これは電気料金として全国民から徴収されているのです。
電気代が来月から値上がりします?そりゃそうだ。政府も役人も全部民間企業(つまり電力会社)に押し付けて、完成する頃にはまた難癖をつけているのですから。
原子力発電所はいつまでも再稼働できず、使用済み燃料を受け入れる工場はいつまでも稼働できません。
古い原子力発電所を稼働するかしないかという問題ではなく、それならば新型原子炉を作ろうという話にもならず、ただただ押し問答をづっと続けているのが、日本の原子力の現状です。
中国のみならず、ドイツを除くヨーロッパ、アメリカでは原子力発電を国家を挙げて主導しているのに、日本はあいかわらずイデオロギーの話ばかり。
北欧では政府と電力事業者の二人三脚で、新型炉や小型原発を導入していくのです。背景には対ロシアで国家が団結しているから。
本来なら原子力施設を受け入れた地域は、30年も経てば一変しているはずなんですが、青森の下北半島はせいぜいマグロと恐山(おそれざん)ぐらいしか知られていない荒涼とした景色です。鉄道も道路も昭和のままでおんぼろです。
私と同世代で、希望を抱いて日本原燃という会社に就職した人は、一度も稼働することを見ることもなく定年退職するのです。現時点の稼働予定は10年先ですが、竣工40年目で稼働するといのも会社が発表した希望的な観測でしかない。
日本政府・霞が関はなんて残酷なんだと思います。人材を社会的な無能にさせているのですから。
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Saturday, May 6, 2023, 08:53 AM
今年の連休は栃木県の日光方面を旅行してきました。
有名な鬼怒川温泉から鬼怒川をさかのぼり、湯西川温泉、川俣温泉に泊まり、中禅寺湖、そして日光東照宮を抜けて、ぐるっと反時計回りに栃木北部の山岳地域を巡る旅です。
ここは源平合戦で敗走した平家の落ち武者が暮らした地域で知られています。
日光地域では知る人ぞ知る、いわゆる穴場スポットなのです
まず歴史が古い日光地域にしては安く、俗っぽいお土産物屋がないので、十分風情を楽しめます。
なんといっても鬼怒川はダムだらけの河川ですから、道路がよく整備されているので、ドライブを楽しむにはうってつけの場所。
追い越されたオートバイのライダーは近所の友人でした。こんなところでひさしぶりに会うなんて。
標高1700あたりではまだ雪が残っていました。
ひさしぶりの旅行は楽しかった。でも電車は満員で、特急券が買えず鈍行で帰るしかなかったので、ずいぶん帰宅が遅れてしまいました。
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Saturday, April 22, 2023, 12:24 PM
先日、副島隆彦先生の講演会で、講演者の下条竜夫氏(げじょうたつお;兵庫県立大学理学部准教授)にお会いしました。
この下条氏は姫路にある大型放射光施設(通称Spring8)で現代物理を研究する実験派研究者です。
立ち話程度ですが、巨大な電子加速器はいわば巨大な電磁石にすぎないのですが、それでも区分では原子力発電所と同じ施設に分類されてしまうので、国の原子力規制法に縛られているのだとか。
特に大型の施設にこもって実験をする学者や職員すべてが、ある程度は原子力規制法とそれに連なる法令と規則を読み込むのは当然なんだそうです。
言っときますが、別に核燃料を扱っているようなところではないですよ。
でも高速な電子や原子核は放射線そのものなので、どうしても原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Association)の監視下となります。
規制監視省庁が加わると書類が指数的に増えていく
書類を承認者と実施者に送るだけで2部、さらに閲覧用や関係部署へ資料とするだけでも何十部も刷られてしまう。
さらに改訂していくと同じ内容でもちょっと違う書類の束(役所の世界では図書と言います)が、どんどん目の前に積み重なっていきます。
計画書を出して、承認印が押されたら、つぎに要領書、手順書、安全書類、そして報告書や改善要望(提案)などなどが行きかうのです。
そして表紙にはたくさんのハンコが並んでいきます。
ところ途中で重箱の隅をつつくような指摘があると、また最初からそのループをはじめからになってしまう。
原子力発電所で書類を作っていると、このループはいつ終わるのだろうかと暗澹たる気持ちになります。
いやなことに民間企業側はどうしても規制や規則を通すためにも規制省庁に対して立場が弱いのです。
たとえば金融庁と銀行、厚生労働省と製薬会社・・・どこも規制する省庁に対しては盲従するしかないのは言わずもがな。
そして監督省庁に対しては、民間企業側はけっしてよくは思っていませんよね。
日本の場合は特に面従腹背(めんじゅうふくはい)の傾向が強いです。
なぜか!
監視規制する側が圧倒的に勉強不足・経験不足だから
原子力規制庁と電力会社のホワイトカラーは法令順守、そして規制と規則に準ずることだけが仕事であり、存在意義です。
法律は政治家が作り、それを基に法令を中央省庁の官僚がつくり、具体的な規制や規則となって民間へ”下賜”されていきます。
だから私が一般の人で年間1mSv(作業者は50mSv)が上限なんて無意味だといくら叫ぼうが決して、法律が変わるわけはない。
特に日本では放射能に関する規制はすべてがアメリカからのものですから、アメリカの規制が変わらなくてはならないのです。
改革の過程から規制の進化を探る (近藤寛子著 ERC出版 2019/7)
この本を読むと、剛腕なコンサルタントを入れてまでもアメリカ大統領直属の規制当局が過去を見つめなおし、管理手法を改革していったことがわかります。
アメリカの規制と規則はどんどん進化し効率よくなっていく
アメリカでもスリーマイル島事故(1973年3月、当時の大統領はカーター)をきっかけに、原子炉の安全対策が大きく見直されて大統領直属の機関が設立されました。
そして全米の原子力発電所の監視体制が20年間運用されていたのですが、結構大きな問題があったのです。
大きな問題とは、小さな事故や故障が減ることがなかったということ。
いくら規制や規則(ルール)を作っても、結局は地方役人と事業者という人と人とのつながりですからうまく機能しません。
だいたい役人の机上の理屈と効率・能率を重視する事業者は水と油です。
そこで規制はちゃんと事業者側ともしっかり検討して、リスクにあった規制をし、リスクが無視できるようなことは良いことにしたのです。
そして専門家を交えて事業者と監督者双方が能率的になるように変わっていったのです。
こうして出来上がったROP(Reactor Oversight Process)という新しい規則は、発電事業者側にもメリットがあり、その後の事故や故障がぐんと減ったのです。
なぜか日本は福島以降、一層規制を強めて管理色を打ち出した…
福島第一事故を機会に、10年前(2012年)に原子力規制法が改訂されたのですが、これがなんなんだか手取り足取りガキに遊び方を教えるような微に入り細に入りの法律になりました。
つまり原子力発電事業者にいっそう監視の目を強め、管理を強いるというもの
アメリカの原子力規制当局は、監視分野を明確にし、事業者のメリットに配慮しているのに対して、日本は上意下達の社会主義色(軍隊式ともいう)を強めただけです。
東京大学の岡本孝司という教授は「アメリカでは5年で原子炉を更地にできるが、日本では原子炉ひとつ廃炉(解体)も無限に時間がかかる」と日米の原子力規制の根本の違いを嘆いています。
私もそうです。
原子力発電といっても普通の火力発電所との違いは、熱源がボイラーか原子炉の違いだけで構成はおんなじです。
原子炉はむしろ単純な構造です。
原子炉よりも東京湾や川崎の工場地帯で製造している化学物質のほうがずっと危険極まりないです。
石油化学の製品だいたいが危険な物質から作られます。プラスチックはホスゲンという毒ガスからです。嗅いだら一瞬で即死するそうです。
ありきたりな工業原料として殺人ガスが工業地帯では普通に配管を通っています。そしてもし他国からの攻撃があれば、原子力発電所の比ではない影響範囲となります。
化学工業も原子力発電所と同じ規制を導入したら、そこらじゅうガードマンだらけになって日本の工業は壊滅します。
つまり日本の法律は現実現状を全く反映していない上に、有害無益なものばかりが金科玉条のように残っていくのです。
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Tuesday, April 11, 2023, 10:37 PM
温泉水から金を回収することに海洋研究開発機構(JAMSTEC)とIHIの研究グループが成功したというニュースです。
藻を使って温泉中の金を濃縮することに成功したとのこと。
玉川温泉は秋田の八幡平に属する有名なラジウム温泉です。ここの湯の華はけっこういい値の放射線量です。5〜10μSv/hぐらいかな。
噴煙立ち上る一帯は国定公園で、岩盤浴ができます。五回ほど行ってますね。
低コストで熱水中の金属成分を回収できれば、日本は再び黄金の国になれるとのこと。
夢のあるいい話ですね。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70014190X00C23A4QM8000/
(転載はじめ)
温泉から「金」? 新たな国産供給元に高まる期待
2023年4月7日 19:58 [有料会員限定]
日本が再び金(ゴールド)の供給国になる日が来るかもしれない。海洋研究開発機構(JAMSTEC)とIHIの研究グループは、玉川温泉(秋田県仙北市)で温泉水から金の回収に成功した。2023年は深海でわく熱水からの取り込みを目指す。日本にはかつて豊富な金鉱山があったが、現在は大半が枯渇。温泉が新たな金の供給元になるのではと期待が高まっている。
金鉱脈はマグマに含まれる金が地下深くで高温高圧の熱水に溶け...
(転載おわり)
過去ログ;
検索キーワード:玉川温泉:
八幡平で温泉三昧をする
「赤外線を当てれば癌が消滅する」はオカルト治療ではありません
「個人の感想です」ですべて許されるか
秋田県鹿角(かづの)のひとり旅
温泉三昧で気付いたことは、やっぱり身体に効いたこと
イエローケーキの自家精錬!弟子入りしたい
タモリは温泉も詳しいのだなあ
氣傳効(きでんかい)を枕カバーにしてみたら気持ちよく熟睡できました
お袋からの電話は「駆け込みドクター」観た?とのこと
ラジウムで錆びた体を若返らせる!? |達人に訊け 中日新聞
玉川温泉レポート (その3)
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Saturday, April 8, 2023, 12:43 PM
原子力発電所や原子力関連施設で働いてみると、否応なく監視と管理の世界に足を踏み入れるということが身をもって感じられます。
言い方は悪いのですが、”シャバの空気が吸えない”という空間に居るというです。
いうまでもなく建物の中を自由に歩けるわけはなく、放射性物質がある区画は厳重な規制があります。
ですから通路も事前に指定されており、一列でといった歩き方までも指示されている場合がある。
警備員が要所要所にいますから、気が抜けない。
刑務所と違うのは、見学用の通路やスペースがあるぐらいかな。
べつに誰もが自発的に規律正しくしているわけではない
原子力施設はすべて大昔の原子力基本法(昭和30年)を基にした原子炉等規制法(正式名は「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」)に拠って運営されています。
所轄は環境庁配下の原子力規制委員会(NRA;Nuclear reguration Asociation)です。
よくニュースで見かけますよね。
何をするにも、ボルト一本絞直すにもすべてのことに原子力規制委員会の審査と認可が必要なわけ
一般的な産業では品質向上やコスト削減、性能や新規機能といった付加価値を上げることを目標としますが、研究用や量子加速器を含め原子力にかかわる作業はすべて原子炉等規制法により規制があるということ。
たとえもっと効率的で低コストの工法がある企業で発明されたとしても、それの実用化には一企業ではできないのです。
なぜなら法律の下に法令があり、法令の下には規制があり、規制の下には規則という順番で、どんどん細分化されて具体的な指示となって所轄官庁に落とし込まれていくのです。
たとえばマンションやビルではエレベーターやエスカレーターに「定期検査」という張り紙がされて止まっていることを目にしたことはあるでしょう。また火災報知器やスプリンクラーの点検も一度は巡り合うことがあるでしょう。
あれは大家が自主的に行っているわけではなく、法令に基づき半ば強制で行われていることです。
飲食店では従業員は月に一度は検便をしなくてはいけない等など、普通に生活していても法律と法令に従い、規制と規則で守られ、逆に縛られているわけです。
その顕著な例が原子力関連業界とも言えます。
原発で働くのに放射線の知識など要らないし、むしろ邪魔
原子炉主任技術者や原子燃料取扱主任者という、原子力発電所で働くのに必要な国家資格で資格はあることはあるのですが、まず一般人は無関係です。
私のように電離放射線に関する工業資格を有していても、まったく関係ないです。
なぜならば、作業はすべて認可された作業手順(要領)が決められており、材料や器具もすべて認可されたもの以外では不可だから。
つまり作業者はすべて規制や規則のもので認可・登録され、その人の役割や権限が規定されている。
24年前に東海村で作業手順を勝手にすっ飛ばして、臨界事故が発生しましたが、それを境に一層厳しくなった感があります。
結局のところ、性悪説に基づく労働者保護を名目とした規則や細則がどんどん付加されていき、これはとどまることは永久にないでしょう。
原子力関連企業で働くことは、いちいち一つ一つの規則に異議を感じていてはやってられません。
たとえば廃炉されて原子燃料が撤去されていても、いまでも全身の放射線チェックを受けなければならない等などです。
このように一度設定されたら、二度と緩い方向に戻りません。
軍隊と一緒で、施設も組織も、そして人もすべては法律と法令に従い、準拠した行為しかできないのです。
ガチガチの体制下で変革が起こるわけがない
政府と官僚機構があり、その傘下に行政法人や管理監視団体(つまりは省庁の天下り先、いわゆるナントカ学会ってやつやナントカ協会ってやつ)が富士山の裾野のように広がっています。
東京電力や関西電力といった電力会社でさえ、麓の一つにすぎないのです。
組織の上に行くほど見つめる先は、官公庁であり政府動向になる。
そして下っ端は法令規則の遵守が絶対的な行動規範ですし、それ以外の評価はないんです。
つまりは管理職は小役人的な立場にならざろうえないのです。これが原子力発電に関連するどんな企業や組織の体質であり、大昔から全く変わっていません。
小型原子炉や炉心融解しない新型原子炉が発表されていますが、私が生きている間は、まず日の目を見ることはないだろうな。
なぜなら半世紀以上前に制定された法律がある以上は、政府・官僚はその元で動くことしかできないからです。
逆に新型原子炉や小型原子炉が普及するには、原子力法を書き換え官僚組織を大幅にいじる必要があるからです。
いくら三菱重工や日立でも、こんなことは一企業ではできることではありません。
このように原子力発電所で働くと、いやでも法律と法令と接していくことになります。
たとえ日雇い労働者でもまったく同じです。
小さい時から生徒手帳の校則を守れる人は、役人向きですし原子力関連施設ではおあつらえの職場であるといえます。
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Sunday, April 2, 2023, 11:47 AM
桜も散り際になって、雨続きのなか天気が良いので、私も近所を散策してみました。
新年度で気分一新、とてもさわやかな気分です。
それにしても観光客で浅草からスカイツリーにかけて賑わっています。
家族連れも公園でにぎわっております。
ひさしぶりに喧騒が戻ってきた感じです。一昨年は浅草寺の仲見世を昼間でも自転車で通り抜けられるほどガラガラでしたから。
隅田川は観光船がひっきりなしに通ってます。
車道には観光バスの行列。ナンバープレートは東京や千葉神奈川だけではなく、山梨や栃木もあります。つまり関東圏の観光バスが総動員されているのでしょう。
しばらく閑古鳥が鳴いていたのに、一気に円安で観光客の洪水となってうれしい悲鳴が聞こえるようです。
それでも旅行客がニコニコとしていると、自分も楽しい気分になります。
日本にいる間は、楽しい思い出であってほしいと願っています。
新年度の始まりで、自分もうきうきしています。
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Tuesday, March 28, 2023, 11:28 AM
原発だけではなく日本の企業にも言える危機
先日電力関係者とじっくりお話をする機会がありました。原子力関連施設の滑稽なほどの過剰な入退出警備に関しては、私と同様に閉口しています。
でも、現実はもっと切迫した状況なんだと教えてくれました。それは
サイバーアタックが日々行われている
中国・ロシア・北朝鮮が疑われるサイバーテロ、サーバー攻撃が日夜行われており、その頻度は増大しているのだそう。
いまや社員一人一人にパソコンが与えられ、業務のほとんどがパソコン上で行われています。
原発一つでも数千人、全国の原子力施設や官公庁をあわせれば、それこそ万単位の人がかかわっています。
偽サイトに誘導するスパイメールを誰かがアクセスしてしまい、IDが盗み取られてしまったら外部から侵入されてしまいます。
だから基本的には外部からのメールは開かないという警戒を怠ってはいけない。
とはいうものの、実に巧妙でタイミングの良いメールが送られてくるのです。
私が体験したのですが、長期で出張しているため自宅への書留や宅急便は受け取ることができません。
「クロネコヤマトから受取人不在での連絡云々」
そんなメールが目に飛び込んできたら、急いでメールを開いてしまい、リンクをクリックしてしまうでしょう。
お歳暮の時期ですし、クレジットカードの更新などいろいろと心当たりがあるので、一瞬慌てました。
ただ原子力発電施設のパソコンでは外部サイトにはアクセスできないので、直接宅配便の営業所に電話をして確認しました。
すると一般メールやSMSでお客様に連絡することはありませんとのこと。
…間一髪でした(汗)
毎日ETCカードが引き落とせないとか、●●銀行からのお知らせ等々おびただしいスパムメールが届きますが、タイミング次第では
人は簡単に騙されてしまうのです。
セキュリティー対策、サイバー攻撃対策は一応どの企業でも行っているはずなのですが、いろいろな会社を見ていると千差万別です。
情報システム部門がしっかりしているところもあれば、セキュリティソフトだけをインストールしておわりという会社もあります。
スマホやUSBメモリーによる情報漏洩に無頓着なところもあります。
いくら社員に情報管理を唱えても、口頭だけで済むわけがなく、どうしてもデジタルデータ(画像や表データ)で報告しなければならない場面がある。
結局社内でUSBメモリーやメモリーカードが流通しちゃうのです。
話は脱線しますが、首にぶら下げている社員IDカードを万が一紛失したら、警察に連絡して、全社員で探さねばならないという明文化した(暗黙ではない)規約があります。
プラスチックケースに入れて首からぶら下げる普通のものです。
原子力発電に勤める人の社員IDカードは警察手帳並みの扱い
新聞記事になって、紛失したものは全国でお尋ね者になるから、決して無くさないでねと言われました。
過去工事現場の作業者が、どっかにひっかけて落っことしたそうです。鳶(とび:高所での作業者)は鉄筋や鉄骨の間を通るので、そりゃ首からぶら下げていたら千切れてなくなりますよ。
一枚のIDカードが無くなったら、原発従業員総出で探したそうです。
だから社員カードや入退出カードは必ずセキュリティー担当者に毎日返納し、それは金庫に収められていました。
正直、プラスチックカードという物理的なセキュリティーは限界です。悪意のある第三者に渡れば、これほど楽な通行手形はない。
上場一部企業では、メールはおろかアクセスしているサイトも常に監視しています。
外部の攻撃者は巧みに抜け道を探し、それを企業が防御するという”いたちごっこ”がコンピュータの裏側では繰り広げられている。
原子力発電所はあえてコンピュータでの自動化をしていない
原子力発電所で驚いたことは、原子炉制御の中枢に近くなるほど、人の手を介した原始的な構成になっています。
燃料棒の出し入れなどは、完全に人がビデオカメラを見ながらの手作業です。
ひとつひとつの動き、工程にけっこうな人手が必要で、工場の自動化(Automation)に見慣れていると、すごく前近代的に思えます。
でも、原子力発電所を建築する人から言うと、あえて自動化やコンピュータ化を避けているのだそうです。
たとえコンピュータや通信が全部落ちてしまっても、電力や動力さえ確保できれば運行・稼働ができるようにしてあるのだとのこと。
原子力発電所は軍艦の指令体制と似ている
私が原子力発電所に赴いて、感じたことは軍艦とよく似ているということ。
中央制御室でなんらかの操作をしても、それは直接ではなく、かならず幾人かの人や部署を介していくのです。
軍艦のブリッジで船長がエンジン全開としても、実際にエンジンを操作するのは機関室の機関長ということ。
これはどんな危機的状況でも対処できるように、あえて冗長な操作体系になっているからです。
つまり予備の装置があったり、別の場所からもある程度操作できるようになっている。
そして一つ一つの操作に人が介在し、それぞれが確認することで、ヒューマンエラーを予防しているのです。
「冷却ポンプ作動5秒前」とか「なんとかかんとか停止」とか制御室の指令と呼応が全館にスピーカーで流れているので、実はやかましいのです。
軍隊的な指令と復唱は、仕事の基本のキですね。
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Wednesday, March 22, 2023, 11:35 AM
誰もが呆れる時代錯誤な身分調査
もんじゅは福井県のほかの原発と違い、原子力研究開発機構(JAEA)という文科省傘下の独立法人)の原発です。もんじゅのすぐ近くにはふげんという実証試験炉と同じです。(ふげんも廃炉作業中)
もんじゅとふげんの近くには現在稼働している関西電力の美浜原発があります。ちいさな半島に3つも原発があるだけでも、敦賀は原発密集地です。敦賀湾を挟んで北陸電力の敦賀火力発電所もあります。
海岸線を走れば発電所ばかりが目に入ります。
そのため福井県内には政府転覆を狙う破壊工作者がいるという前提で、原子力施設への入場は、とても厳重です。
正門のガードマンによる身分証の確認は当然としても、車のトランク、座席、グルーブボックスを開けてのチェック、さらには車体底部を鏡で見て、爆発物がないかを毎回毎日検査されます。
ただしそれは民間の警備会社が担っているので、とても物腰がやわらかく、雨の日ではご高齢の方は気の毒に思います。
過去一度でも車に爆発物が貼り付けられたことがあったのでしょうか?もちろんない。
そもそもトランクを開けさせるのならば、なぜボンネットも開けないの?と思いますし、荷物満載の工事車両の積み荷に紛れていたらどうするの?と誰もが思うのですが、まあ一応“警備をやってます感“だけの演出ですから、お互いの約束事なんです。
でもそれでは国連の国際原子力機構(IAEA)には不満らしく、海外と同じく機関銃での武装を日本に指示したとのこと。
それで日本政府はどうしたのかというと・・・機動隊員を数名常駐させました。
あのジュラルミンの盾にヘルメット姿の機動隊は、警視庁ですから東京からわざわざ来ているのだそうです。
案内してくれた方が「機関銃を扱えるのは日本では一握りだっていうことを知らないんだよね。わざわざ東京から窓に金網の付いた車でやってくるんだよ。」と説明してくれました。
二四時間三交代ですから、ちょうど小さな箱を抱えて交代している姿に出くわします。
「あの箱の中の機関銃を見たことがあるけど、大工のくぎ打ち機かドリルよりも小さいんだよ。」とのこと
横には銃眼のある分厚い鉄板の盾が錆で朽ちています。タイヤはパンクしてます。なんかこういう日本には場違いなものはどれもIAEAの指示なんだとか。さもありなん。
同様に規制区域に入ると、こんどは身体や持ち物の硝煙反応検査があります。
テロの危険性が高い国や銃器や爆薬が簡単に入手できる国ならいざ知らず、日本においてはやるほうもやられるほうもしらけ切っています。入退出に検査がいくつもあるのが、一般の工場や発電所との違いですね。
もっとも核燃料となるプルトニウムが大量に貯蔵されているのならば、誰もが納得できるのですけど、すでに原子炉に核燃料はなく、五〇〇本の鉄の缶に封入されて深い水の底にあります。
普通の火力発電所と内部はあまりかわらない。
稼働当初はもともと、そんな厳重な警備ではなかったそうです。
なぜそうなったのかというと、日本の原子力行政の影の支配者であるIAEA(国際原子力機関)が指摘したからにすぎません。それも「海外では爆破テロをしっかりやっているのに、日本はどうなの?」という疑問に霞が関の官僚が無条件で「はい、爆破テロ対策で車両検査は徹底してます」と応えた結果です。
ついでに入構作業者は硝煙反応検査も義務付けておりますし、薬物検査も抜き打ちでやっています。
過去一度でも硝煙反応がでた人がいるんだろうか…
薬物検査といっても覚せい剤のようなものではなく、主にアルコールですから、たまに深酒が残っていて追い出される人もいるようです。
作業者は自分の戸籍のある役所で「身分証明書」(禁治産者、破産者ではないこと)を発行してもらい、さらに過激派対策で生活している住所があることを水道局に証明してもらい必要があります。
マイナンバーや運転免許証も当然提出させられます。
これだけやっても、最後はサラ金やギャンブルに手を出していないか等のウソ発見器で質疑を受けてから、やっと原子力施設に入場できる資格をお上から頂戴します。
小役人がイメージする原発労働者というものをうかがい知れます。
くいっぱぐれか左翼活動家、もしくはヤク中毒みたいなクズが最後に流れてくると思っている。
はあ〜、仕事に就く前にため息しか漏れ出ません。
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Tuesday, March 21, 2023, 11:27 AM
原子力部門は今やお荷物部門
今から50年ほど昔、原子力発電所の建設が旺盛であったころは、時代の先端である原発関連事業は花形であっただろうと思います。東大や京大の工学部には原子力学科があり、多くの人材を輩出していました。
しかし新規の原発建設が30年前にほぼなくなってしまったので、いまや斜陽の産業となっています。
そうなると、雇用が増えず、従業員だけが歳を重ねていくだけの組織となっています。
いろんな会社を見てきましたが、下請けの工事業者は若くても、おしなべて原子力部門を擁する企業の年齢層は高い。定年後も再雇用で同じ職場に留まっている人も少なくありません。
原子力事業を抱えているのは重電では三菱重工のみで、東芝と日立は独立させて子会社化しています。
川崎重工も原子炉建設ではかつては主要メンバーだったそうですが、すでに撤退して一切の原子力事業とは縁を切っていることからも、どうも原子力事業はお荷物扱いであろうことは感じます。
昔原子力発電所の仕事をしたことがあるのですが、当時と雰囲気は何も変わっておらず32年前の既視感を覚えました。
具体的に言うと形式的な書類の多さ、誰が読むのかわからない技術文書、そして膨大な保存書類の壁に囲まれているという状況。
現在ではパソコンが机に一台ある以外、グレーのスチールデスクが並ぶ殺伐とした雰囲気は何もかわっていない。いわば昭和の職場ってな感じ。
いまでもワープロ時代の書類や青焼きの設計図が後生大事に使われているのです。あーびっくりした。新入社員時代を思い出しちゃいました。
なぜこんなにも原子力関連の仕事は進歩がないのかというと、個人の自由度が極端に狭められていて、規則でがんじがらめだからです。
そして従来の仕事の流れが脈々と踏襲されているのです。私みたいな部外者にとってはハンコがずらりと並ぶ書類の束は時代を感じさせます。電子化とは一切無縁の役所のような世界
すべてが申請と許可という関係性ですから、たとえ仕事が順調で早く終わったとしても、明日の仕事をするといったことはできません。
申請した作業が早く終われば、そこで終わり。申請した仕事以外をすると、大問題となるので誰もしません。手順も事前に協議されているので職人個人が工夫する余地もないです。ですから概ね原子力関連の仕事は残業もめったになく、和やかです。
言い換えれば、原子力発電所で働くということは、ひたすら組織と規則に従順であることを求められます。
指示された仕事がブルシット・ジョブ(Bullsit Jobs;どうでもよい無駄な仕事)であっても、それを発注主(原子力発電の事業者)から言われたら、(馬鹿らしいと思っていても)社命としてありがたく粛々とやる。
これがすごいストレスなんです。
福島第一原発を含め、原子力発電所で働いたことのある人は、たいてい同じ感想を述べています。
具体例は次回に書きますが、暇でのんびりしているけど、その裏では常に監視されているという緊張があります。これは通勤時でも同じ。
大前研一(元東芝原子力事業部のサラリーマン)が言っていましたが、原子力事業者(電力会社による合弁会社)にとって、重電三社は彼らからは下僕であって、わざわざ意見を訊くというなどの
意識はもともとからないわけのです。
陳腐な言い方をすれば、原子力関連部門に所属する公務員や電力会社社員は“テクノクラーク”そのものなんですよ。絶対的な命令者です。
毎日ガードマンと機動隊が常駐する門をくぐり、幾重ものチェックがあるゲートをくぐるたびに、疑似的な社会主義を体現できます。
もちろん化学薬品や食品や半導体といった入退が厳しく管理されている工場は多くありますが、それなりの理由があるのです。情報漏洩を警戒して持ち物検査がある職場もあるでしょう。
でも原子力発電所はそれって意味あるの?と思うようなことばかりなのです。
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Saturday, March 18, 2023, 09:50 AM
原発の廃炉(つまり取り壊し)といっても、なんらかの理由で保守工事を臨時や定期問わず常にやっています。
もんじゅの隣のふげんというプルトニウムを燃料とする実証炉は20年前に稼働が止まっています。
そして廃炉となり、解体作業となっているはずですが、ガシャガシャと壊している様子はありません。
警備員や警察車両が巡回するだけの、きわめて平穏は風景です。
その背景に原子炉格納建屋が何事もないかのようにそびえたっています。
なぜなのかはわかりませんが、おそらく原子力発電施設の仕事を通して、重電御三家(日立、東芝、三菱重工)に各社の原子力部門を維持するための金を流し込むこと。それとあわせて地域の下請け企業を潤すためであることは明白です。
■原子力発電所長でさえ政治的無力の民の一人
福島原発事故ではそこの所長がメディアでその責任感が報道され、2年後に食道がんで亡くなられたことで一層事故と闘った英雄として祭り上げられておりました。
新聞やテレビはストーリーを求めるので、別段かまわないのですが、現実は違います。
原子力発電所の所長とは、巨大な電力会社や原子力発電会社の組織においては現場の総責任者でしかない。
言い換えれば日本中に工場を持つ巨大企業での一つの工場長にすぎないのです。小さな決定権や権限があったとしても、原子力施設の存続を決定するような大きな権限はありません。官庁との連絡や地元政治家(有力者)との折衝の役目のほうが大きいと思います。
官公庁(たとえば原子力規制委員会や経産省、文科省)から降りてきた指示を落とし込むのが原子力発電所の組織の中枢部門なわけで、実際に原発の運営管理は別会社や子会社です。現地の統括責任者が所長という肩書にすぎません。
官庁からの指摘(具体的には規制委員会)、たとえば敵国からミサイル攻撃されたらどうるのか?と尋ねるほうも尋ねるほうですが、それなら頑強な防除壁を早急に立てますというのが模範回答。
時代が変わり、それではドローンで攻撃にはどう対処する?と尋ねられたら、それじゃあ野球場のようなネットを張りましょうとなるわけです。
このようにすべてが泥縄で改修工事が延々と続くのはこういったわけです。こんなところに敵国が攻撃してくるわけねえよwと誰もが思っているのですが、こういう馬鹿な問答が続くことで、無駄な工事が延々とあるのですから、地元の企業はながく恩恵にあずかるわけです。
道路工事や花壇や植栽、運動場やプール、図書館、市民ホール、病院…電源交付金はもっと露骨に住民一人づつ協力金として1万円が配られています。
このように想像がつかないほどの巨大な雇用と消費を生み出していることを実感します。
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Friday, March 17, 2023, 10:11 AM
わずかな期間ですが、敦賀の原子力発電所「もんじゅ」で働いてみました。
■高速増殖炉「もんじゅ」とは
もんじゅとは昭和61年から建設が始まり、平成4年に完成した高速増殖炉という当時最先端の原子力発電所の商用実証施設です。今から31年前です。
当時盛んに政府広報で「発電すればするほど新たに燃料が生み出される夢の原発」とアピールされていたことを覚えています。
増殖炉の原理は簡単です。天然ウランは235と238という質量が異なる物質があり、核燃料となるのは235だけなのですが、採掘されたウランの99.7%が燃えない238です。
ですから0.3%しか含まれない235の抽出には時間と莫大なコストがかかるのです。
高速増殖炉はウラン238も運転する原子炉に入れて、中性子によりプルトニウムに変換することで、使ったウラン235以上の燃料となるプルトニウムを生産することを目的としています。
つまり発電と燃料の製造の一つで二役できるエネルギー革命的な施設であったわけです。
そのために数十兆円もの巨額な国家予算(つまり税金)を投じて原発重電企業が総力をあげて完成させたものだったのです。
所属は日本原子力研究開発機構(JERA 通称:原研)という文科省所属の国立独立法人になります。この組織は多くの研究者を抱えて、いわば原子力(放射線)のエリート集団ですね。
結果はご存じの通り、1991年に稼働してひと月も経たずに配管から金属ナトリウムが漏れて緊急停止となり、それから国民の期待を裏切り続け、1Wも発電することなく今に至っています。こうしてもんじゅにつながる高圧鉄塔の電線は、まったく役に立つことなく風雨にさらされています。
結局一度も発電をすることなく、毎年巨額な維持費用(だいたい500億円ほどと推測)を垂れ流し続け、25年後の2016年12月に廃炉(すなわち取り壊し)が閣議決定されました。
6年前の、この決定でもんじゅの原子炉からは核燃料が昨年までにすべて抜き取られて、今では原子炉には核燃料は1本ありません。現在原子炉内には模擬の燃料棒と制御棒だけです。(使われなかった燃料棒500本は燃料プールに鉄容器で封緘されて沈められています)
そんな状態でも発電所全体(発電や空調、計測装置、非常用電源など付帯設備)はずっと稼働していますから、設備はピカピカではた目から見れば取り壊している原子炉施設とは全く思えません。
原子炉内を循環するナトリウムは冷えると固まってしまうので、今でも冷却システムは加熱されてポンプで循環させています。
つまりひと月に何10億円もの経費を垂れ流すだけの施設となっているわけです。しかも、もんじゅがこの地から消え去るのはあと20年後なのです(ため息)
他の原子力発電所と違うことは、広報紙を毎月発行し、敦賀市内の全世帯に配布していることです。カラー印刷でとてもわかりやすい資料です。
皮肉を言えば、もんじゅ(廃炉作業中)や隣のふげん(廃炉解体中)で有能な人がいるポジションは広報担当だとも言われてます。
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Thursday, March 16, 2023, 11:10 AM
昨年から更新が止まっておりました。
パソコン、プリンター/スキャナーを買い換えましたが、使い慣れたソフトが全部入れ替えとなり大変手こずっています。
それまでは新聞の切り抜きからブログへの反映は、一連でできたのに、使い慣れない複雑なソフトを使うしかない。
最近のノートPCは横長な画面ばかりで、いちいちマウスでスクロールしなければいけないのもストレスです。特にスマホが縦画面なのに、
なんでPCは横長なんですかと、私は全PCメーカーに問いたい!
ぼやいていても仕方がないから、本題に入ります。
医療用放射能が足らないので、阪大はもう独自に製造するぞ!という記事です。
記事ではアイソトープ(同位体)と表現されていますが、正確にはラジオアイソトープ(放射性同位体)です。
医療用・工業用は原子炉や加速器で製造することができるのですが、なんたって原子力(放射線)にはヒステリックな国民と馬鹿政府ですから、ほとんど海外製に頼ってきました。
しかし世界のサプライチェーンが崩壊しつつある現在、輸入できなくなる危惧は現実化しつつある。
そこで内閣府の原子力委員会がラジオアイソトープの国内製造を阪大に提言したということ。
ややこしいのですが、原子力規制委員会(NRA)という組織が環境庁の外局として10年前に設立されました。
原子力規制委員会(NRA)は審査して原発の再稼働を許可する組織です。
ですが、はっきり言って、仕事をしているフリだけは一生懸命な無能集団です。
小役人ばかりだから、IAEA(国際原子力機関)のつかいっぱしりになるしかない。
原発の倫理学(古賀茂明著 講談社 2013/11)
内部告発てんまつ記 原子力規制庁の場合 (松田文夫著 七ツ森書館 2018/3)
上記の2冊はいつか書評しますが、組織の主導権(利権)争いで繰り広げられる官僚らの虚構・癒着・欺瞞、捏造・隠蔽といったページをめくるたびに不愉快になる内容ばかりです。
原発行政なら中国・習近平氏が一番ましだなあ
という読後感しかありません。
医療用のラジオアイソトープさえも国内生産できない、原子力活用後進国なんです、我が国の実態は。
業を煮やした内閣府が阪大に独力でラジオアイソトープの独自生産を認めたというお話です。
それにしても総工費35億円に、経産省が4億円しかださないのには、経産省の官僚も大したことがない。
電力会社と大企業に奉加帳を回せば100億円ぐらいすぐに集まるだろうに
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Monday, February 27, 2023, 11:41 AM
FAXが現在全く機能しない状況です
14年間酷使してきたプリンターFAX兼用機ですが、4か月の長期出張から帰ってきたら
まったく印刷できなくなっていました。一月ごろから予兆はあったのですが、とりあえず
様子見して、買い替えを検討していました。
いくつか候補を絞っている最中に、突然逝ってしまいました・・・
FAXにてお問い合わせやご注文で送っていただいた方は、メールでご連絡ください。
復旧は出張が重なり、二週間後となります。
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Sunday, January 1, 2023, 08:19 AM
昨日の大晦日に伊豆大島に向けて撮りました。
雲の切れ間から光が挿し込み、なんて神々しい情景かと思います。
海底地盤では大きな変動があるそうな
伊豆から箱根、富士山に向かって、地殻には大きなエネルギーが溜まっているとのこと。
2023年が新たな変動の年となることを期待します。
店主
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