クラウゼヴィッツ「戦争論」的には中国の一貫した態度には感心します 
Wednesday, February 24, 2016, 02:13 PM
2/24 曇 10時 浅草での空間線量は30ベクレル/立法メートル

中国による西沙(パラセル)諸島にミサイルと戦闘機を配備しました。
この事態にロイターがコラムを載せています。

クラウゼヴィッツ「戦争論」を引き合いにして、中国による実効支配が続く西沙・南沙諸島の危機感を表わしています。

戦争の緒戦では、軍事力の火蓋は切られなくともすでに舌論での戦いが始まっているわけで、まぎれもなく国家首脳の強固な意志が大切であることはクラウゼヴィッツも著書「戦争論」で述べています。

大事なことは、こっちの方が物理力(マンパワーとハードウェア)では上回るということを関連国を含め敵国に思いこませることであるというのです。

指導者とは勧進帳をしっかり演じてこそ指導者である



勧進帳(かんじんちょう)とは弁慶が義経と落ち延びて、関所を通る場面で本当の山伏ならばその勧進(寄付)帖を読み上げよと関守に問われ、とっさに弁慶が白紙の巻物をさも寺の建立で大勢が寄付しているかのように読み上げて難を逃れるという歌舞伎の定番です。

誰でも似たようなハッタリで窮地を逃れたことは一度や二度はあるでしょう。
私もサラリーマン時代は相手企業の会議室で、精力的に取り組んでいます、進捗も抜かりなく・・・などと堂々と言っておきながら、帰ったら慌てて、突貫工事でやっつけたことはいくらでもあります。

子供の夏休みの宿題なんかもそうですよね。やってますというけど、たいがい新学期が始まった頃に慌てる子がいますわ。

たかが数機の戦闘機、十数発のミサイルで威嚇は十分効果を得た



クラウゼヴィッツ流の「対話」を中国はしているのです。これで周辺諸国とアメリカが黙り込んだら、実効支配は完成です。後出しすれば「当時は何も言い返してこなかったじゃないか」と言い返せます。これも「対話」です。

国家の対話が、外交であり、歴史認識であり、経済であり軍事力です。

いよいよ中国が金(ソフトウェア)でASEANを黙らせ、軍備(ハードウェア)で領土・領海を我が物にしたということです。

中国共産党と人民解放軍は別々といわれていますけども、なかなか一枚板の良い仕事してますよ。

なぜなら、方針が上から下まで全くぶれないからです



意志決断がぶれない指導者(習近平)と躊躇なく行動する軍隊(人民解放軍)との「対話」をすべからく太平洋に面している国々はしなければならないのです。

あっクラウゼヴィッツの「戦争論」は本棚にありますが、あまりにもぶ厚すぎて読んでません・・・。

コラム:南シナ海で16発のミサイルが脅威となる理由
http://jp.reuters.com/article/column-south-china-sea-missiles-idJPKCN0VW2T1?sp=true


(貼付け開始)
19世紀のプロイセン王国で活躍したカール・フォン・クラウゼヴィッツなら、この状況をどう捉えるだろうか。彼の戦争の定義を思い起こそう。

西欧における戦略論の大家であるクラウゼヴィッツの見解によれば、戦争とは本質的に闘争であり、闘争では「精神的・物理的力の対決であり、後者がその媒介となる」。つまり戦争においては意志の強固さが問われるのであり、戦場での遭遇に向けたマンパワーとハードウェアの配備を通じて決着する。武力によって優位をつかみ、その過程で敵の継戦意欲を砕いた側が勝利する。戦場での勝利は、戦略的・政治的成功をもたらす。

他方、言葉による戦争は、同様に、精神的力と物理的力の対決ではあるが、そこで媒介となるのは、想定上の物理的力である。平時における最終的な対決において優位に立つには、敵及び影響力のある第三者に対して、実際の戦闘でもこちらが勝つだろうと思い込ませることだ。

それに成功すれば、つまり重要なオーディエンス(情報の受け手)に信じてもらえれば、戦闘による危険、代償や、気まぐれな戦闘に耐えることなく、勝利の報酬を得られるだろう。正気の指導者であれば誰もが望むように、戦わずして勝つことができる。

(中略)
言い換えれば、中国が設定する「立ち入り禁止」領域に入る船舶ないし航空機は、複数の兵器による複数の脅威に直面することになる。司令官は、東南アジアにおける貴重な軍事アセットと乗員を危険にさらす前に躊躇するだろうし、その企てを完全に諦めてしまうかもしれない。

そうなれば、中国政府は戦うことなく領有権の主張を確立することになる。自らの力を仮想敵に信じさせることができれば、南シナ海における「疑問の余地のない主権」が正当化されることになる。

「主権」とは、最も基本的な意味では、地図に引かれた線で囲まれた領域・空域に対する物理的な支配をいう。南シナ海で物理的な優位に立てれば、中国政府がルールを決め、船舶・航空機はそのルールに従って当該地域の水域・空域を航行するようになる。またそれによって中国政府は、南シナ海の航路を必要に応じて封鎖する権利を留保することになる。世界最大の海洋航路の一つが立ち入り禁止になってしまうのだ。

(中略)
戦力の誇示によるクラウゼヴィッツ流の「対話」はこれからも続くだろう。中国のHQ─9ミサイル配備に対応するために、米国とその同盟国であるアジア諸国は、人民解放軍が何をぶつけてこようとも海洋の自由を行使可能であるということを実証しなければならない。

最悪の事態に至った場合に、中国のミサイル基地を叩く能力があることをどのように証明するかも考えておくべきだろう。それに成功すれば、中国自身にも、また傍観している他の国々もこちらの能力を信じさせることができ、将来的な中国の違法行為を抑止できる可能性が高まるだろう。
(貼付け終り)


過去ログ: 3分で読む小室直樹「新戦争論」(学問道場版)
小室直樹「新戦争論」を今こそ読む(5)  国際社会と国家を理解することが真の平和主義
小室直樹「新戦争論」を今こそ読む(4)  国連を国際社会と混同する文化的原因
小室直樹「新戦争論」を今こそ読む(3) 国連の幻想と国境の思想
小室直樹「新戦争論」を今こそ読む(2) 言葉を翻弄したことで文明史を曇らせた
小室直樹「新戦争論」を今こそ読む(1) 平和主義者が戦争を引き起こす
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国会議員に立法能力が全くないし、する気もない 
Tuesday, February 23, 2016, 03:52 PM
2/23 曇 10時 浅草での空間線量は28ベクレル/立法メートル

昨晩のNHKクローズアップ現代「広がる“労働崩壊”〜公共サービスの担い手に何が〜」を観ました。

多摩市などでは公共工事で実際に渡る賃金の下限を設定し、それを徹底させる法律を施行しました。
低価格競争による赤字受注で下請会社へのしわ寄せを防止するためです。

これによって地場産業の保護と、人口の現象に歯止めを掛けようという狙いがあります。
もちろん施工の品質が上がり働く人々には好評です。

歴代低脳首相である安倍晋三と麻生太郎の最悪コンビは

「企業の経営者さんは給料を上げてやってくださいよ」

ぐらいしか言わない。情けないことに、それも国会で堂々と。

お願いされて給料が上がるなら国会も厚生労働省も財務省いらねえよ。

いつから国会議員は法律を制定しなくなったのか!?



日本では今も昔も労働者階層はおろか技術者まで軽視されてます。技術立国だとか自ら讃えていますが、嘘っぱちだというのが私の実感。
新入社員を大量に仕入れて、こき使い、脱落するまで消耗させて、役立たずとなればどこか子会社に捨てる(か辞めさせる)。

仕事で求められるのは、安い早い美味いの三拍子だけ。リストラクチャリング(首切り)だ、キャッシュフロー経営(トヨタカンバン方式)だ、あげくはグローバル化だと銭儲けのための都合はすべて労働者にしわ寄せさせているだけのこと。

首切り、コストカッターが最良の経営者と言われ続けたのがこの四半世紀ではなかったのではないでしょうか。

本来、同じ仕事をしたら同じ賃金が支払われるべきです。ところが日本では所属先で賃金は決められるのが日本の慣例です。

これを悪用して労使関係と切り離した経営側に都合の良い派遣労働者という制度です。
また同じフロア(現場)で同じ仕事をしていても、大企業とその下請もしくは派遣社員とでは給料は倍違うこともざらです。

土木業界やIT業界ではごく普通にある状態です。
そして納期や質で責められるのは下請の職人や派遣技術者ばかり。
日本で革新的な製品やソフトウェアが生まれないのは当然のことです。

せいぜい日本人の美徳(金銭にかかわらずに仕事はやり遂げる)といった動機だけが海外との競争力にすぎません。

なぜ同一賃金制度を日本では導入できないのか



もし同じ仕事をしているのであれば、年齢や所属、さらに性別にも関わらず平等にすべきと私は思います。
ところが、年功序列による人事制度が崩壊するから、同一労働同一賃金制の導入を総じて大企業は大反対するのです。

あの共産党でさえ無視しています。
いわずもがな民主党以下野党も全く議題にするつもりはない。

地方行政が中央を諦めて独自政令を発布するしかない


多摩市は公共事業では同一労働同一賃金の徹底を法制化してしまいました。

これはすばらしいことです。

政府が動かないのだから、過当競争に陥っている地場の土建業を守るしかないと地方行政が自ら動いて、金を地元に落としたわけです。
雇用と人口を維持するには、多少値段が高くなっても構わないという考えを多摩市民が支持したことになります。

田中角栄は国会議員在職中には150もの法案を立案し成立させたそうです。(数はうろ覚え)国会議員のいまだ破られていない大記録なのだそうです。

かたや今の国会議員は、法案は後の役人たちが書き、成立のために数合わせでいるだけです。
これじゃあいつまでも民意もへったくれもない。

安倍の掲げる「一億総括役社会」とは何かというと

労働人口を増やして経済成長率に歯止めをかけるための役人(日銀)の机上の空論からでてきたものです。(これは中曽日銀副総裁がNY講演で本当に述べています)

男女は15歳から84歳まで(全人口84%)が働くことを前提にすることで経済成長率をかろうじて減らさないことができるというもの。

もちろん無理なことは日銀も百も承知で、金融緩和はスタッグフレーションを引き起こしただけでした。

老後破産だ、下流老人だと年寄やこれからリタイヤという人々に危機感を抱かせて働かせるため、御用メディア(日経やNHK)は働け働けと昼夜流しています。

まずは公共事業からだけでも同一労働同一賃金を徹底させるための法を成立させることが、働けという前に国会議員はやるべきこと。

でもそういう議案が国会で全くないことに呆れます。
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スペシャル・ドリンクって何だ? (それは高糖分でした) 
Monday, February 22, 2016, 12:34 PM
2/22 曇 10時 浅草での空間線量は29ベクレル/立法メートル

昨日は天気がよいので、三浦半島の横須賀市周辺をサイクリング&ハイキングに行きました。
日中は長袖シャツ一枚で良いのですが、朝と夕はダウンジャケットがやっぱり必要です。
この気温差がもう春であることを教えてくれます。

左は京急久里浜駅からすぐの花の国公園にそびえ立つゴジラです。

ここから砲台山や鷹取山、三浦按針の墓を経由して帰ります。


砲台山から熱海方向を望みます。伊豆大島が見えます。冬は富士山もみえたそうです。


太平洋戦争中の高射砲台座跡です。でもB29には届かなかった。


衣笠での道中には河津桜が満開でした。


鷹取山から東京湾を望みます。眼下が横須賀です。東京湾トンネル・海ほたる、対岸の木更津市もはっきり見えました。驚いたことにここからスカイツリーもはっきり見えました。どれだけ高いんだよ。

鷹取山はロッククライミングのめっかです。磨崖仏(まがいぶつ)があります。


三浦按針(ウィリアム・アダムス)の墓。家康は厚遇したのですが、死後は秀忠、家光に冷遇されたそうで不遇な境遇でした。

天気も良く上機嫌で帰路についたのですが、帰りは北風が強くてペダルを、漕いでも漕いでもなかなか自転車が進みません。

2時間ほどで軽い低血糖状態に陥ってしまいました。だんだん力が入らない

マラソンなどの持久系スポーツではよく知られており、判断が鈍くなる、さらに進むと軽い痙攣を起こしたり、ホワイトアウト(視野が霧がかかったようになる、または真っ白)、最後は座り込んでしまいます。

運動をしている方はよくご存じでしょうが、ハンガーノックという状態です。お腹が空いているわけではないのですが、筋肉で消費するグリコーゲンが枯渇してしまった状態です。

糖質制限をしている人は比較的なりやすい?のかな



私は体脂肪がないほうですから、ときどき甘い飲料やチョコレート菓子などを口にすれば良かったのですけども、そもそも私は甘い飲み物や袋入りのお菓子(特に飴)が大嫌いなんです。

それでもやっぱり運動中は、意識的に口にしなければならないなあと痛感しました。
普段は食べませんが、ハイキングやサイクリングで携行するのはスニッカーズというチョコバーです。コンビニで売ってます。激甘ですが少し元気を取り戻せます。

陸上スポーツでのスペシャルドリンクって何?



私は一度だけ、選手のボトルの中身を覗いたことがあります。沿道で観戦していたときに目の前で選手が次々ボトルを投げ捨てていったのが数本足元に転がり込んできました。
どうしても中身に興味があり、何本か覗いてみました。

いろいろありました。

スポーツ飲料っぽいもの
コカコーラ
ゼリー系飲料
あとすごいと思ったのはストロベリージャム
果物のジュース

吸い口を外して、ちょっと味見させてもらったところ、どれも一口含んだら、うぉ!っというほど甘かったです。
口の中ネバネバになっちゃうんじゃないかと思ったほどですが、持久力が必要なスポーツはこれくらい糖分を次から次に放り込んでやらないと燃料切れになっちゃうのでしょう。

こんどハイキングするときはリュックのポケットに少しは甘いものを入れておこうと思いました。
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介護現場はとっくに我慢の限界を越えている(若い人材を押し殺す政府方針) 
Saturday, February 20, 2016, 04:19 PM
2/20 曇 10時 浅草での空間線量は33ベクレル/立法メートル

昨晩ちょっと介護現場の状況を聞きました。

私にも老人ホームで働く知人が男女一人づついます。女性は介護福祉士の資格をもったプロです。
やさしくて明るい人だから、とても広い年代から愛される人気者です。
ところが仕事で精力を使い果たしてしまうのか、結婚話が浮いて消えの繰り返し。
痴呆老人の相手で、人疲れしてしまうのでしょう。

いつもの笑顔とはうらはらに、勤務状況を聞くと壮絶な世界だ。私には絶対むりです。
薄給に耐えて責任感だけを心の拠り所にして、働いている方ばかり。
彼女も休日は休養に専念しているようです。かつてはアウトドアが好きだった活発な人だったんだけどなあ。

介護施設で働く男の友人は、介護現場は人材の浪費だと断言しています。
国家予算の減額で、ただでさえ労働条件に見合わない上、手取額が毎年下がる現状で働き手までが経済的に余裕がない。

とても一家を支えるだけの収入は介護職では得られないとのこと。
だから若者の離職率が高いのは当然だということ。言外にいうところ、若いのであればいくらでもまだマシな求職はそこらにあるのです。

別に介護施設の経営者も、待遇改善に努めているのです。少しでも良い給料と休みを与えたいと考えているのです。

ところが現実は押し寄せる痴呆や寝たきりの老人たち、そして受入れなければ介護保険が支給されないので、経営上は常に目一杯引き受けます。それをギリギリの人員で回していかねばならない。

もっと大きな悲劇があると彼は強調します・・・

老人ホームに入れたとたん家族は面会には来なくなる



これは珍しくなく、痴呆の老父や老母を施設に送り届けたら、その後一切娘や息子は来なくなるそうです。もっとも娘や息子だって老齢に達しているのでしょうけども。

なんて冷たい子供だ!と思われるかもしれませんが、ずっと入所の順番待ちをしていた娘・息子たちもギリギリの精神状態なのはよくわかると彼は言います。

夜中わめいたり、幻覚幻聴で興奮する年寄と四六時中一緒にいると、家族の精神がすり切れてしまうのです。

壊れた老人は放射性廃棄物よりもやっかいな代物



施設に送り届けると、それで一切が終わったと思ってしまう。否、そう思わないと精神が保てないのだとか。施設側では一時でも帰宅して欲しいのですが、多くの家族は頑なに拒否するのが現実です。

痴呆老人はとても攻撃的ですし、被害妄想が大きいので、施設側でも二人三人とマンパワーを奪うだけです。家族に救援を求めても、一切施設からの連絡を絶つご家庭が多いそうです。(せいぜい次ぎに来るのは遺骨の引取にくるときぐらいなのでしょう)

家族に捨てられた老人を赤の他人の若者がどう世話しろというのでしょうか。
しかも激務で薄給、昇給の見込み無しというお先真っ暗な状況で。

真面目な介護士ほど精神が崩壊しやすい


やる気に燃えて働く若者ほど、現状のひどさに精神を病んでしまうことも相当あるのだそうです。
老人を虐待するのはもってのほかですが、それでもどんなタフなメンタルをもっていても、相当堪えるようです。
働き手がこのままでは誰もいなくなるという危機感だけが蔓延しているそうです。

介護職員たちの内部対立やイジメ


たとえばプロパー社員と派遣社員が混在している施設があったとしましょう。人手不足ですから、人足を補うにはなりふり構ってはいられません。
ところが同じ勤務でも手当代が違うといったことがおうおうに生じます。あっちは基本給が良いが勤務外手当はないとか、こっちではこれだけの手当がでるといった具合。

経営者は少しでも待遇を良くしようとしているのですが、それが床数の大きな施設となると深刻な対立となるのです。あっちがこれだけもらっているのだから、こちらも同様にしろという賃上げ要求が生まれるのは当然です。しかし妬みによって、押し付け合いやイジメも介護者間で発生し、結局は大量離職となるケースもあるのだとか。

特に介護者も幅広い年代、男女いますから、給料アップよりも休日を増やして欲しいとか、要求は様々なのは当然で、介護施設の運営はつねに困難の連続なんだそうです。

現状でも老人ホームは限界を越えているのに、老齢人口がピークとなる10年後を待たずしても、崩壊目前です。

国家の無為無策が状況をここまで追いやった



頭のネジが緩んで壊れた人間を、貴重な人材を潰してまで維持する必要があるのでしょうか。私は彼のつぶやきを聞いて無性に腹が立ちました。増やすべきは保育園や養育世代への支給額であって、生産性のないことに税金を使って欲しくはない。

人間の価値はある程度の年齢からは減っていくものだと思います。人間国宝だとか現代の名工は国の予算で大切にしたらいい。
でもただ機械的に喰わされて排泄するだけの物体に、なんの価値があるといえるのでしょう。

介護等級があるならば受入れ側が与える等級があってもいい



たとえば「人間の価値」等級みたいなものを、施設や親族がつけてもいいのではないでしょうか。
生活保護の禁治産者なんかは0点。
こういう人は政府がちゃんと国家の施設で管理したほうがよいでしょう。

現実、身内がそちらで処分して下さいとでもいうかのように介護施設に置去りにしているのですから。

こういう「汚れ仕事」こそ国家の仕事であるべきです



価値等級が少なくともある大部分は老人たちは、それぞれが負担できる範囲で介護を受ければよいと思います。
受入れ施設が一杯でも、ああ人間の価値が俺は低いんだと納得できるのではないでしょうか。
文句はいえないでしょう。

日本の介護制度というのは腹ただしいほどの悪平等からちゃんと優先順位を設けるべきです。いえ、そうしないと介護業界は崩壊してしまいます。
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飛車が空母ならば香車はミサイル基地といったところか 
Friday, February 19, 2016, 12:31 PM
2/19 晴 10時 浅草での空間線量は28ベクレル/立法メートル

どうでもよい床屋政談です。

ASEAN首脳会議でアメリカのケリー長官が、いくら中国を非難する声明を発表したところで、中国には痛くもかゆくもないでしょう。

ケリーだけが名指しで中国への牽制しているだけで、共同声明自体は空虚な言葉だけのしらけた内容でした。親中派が多いASEAN諸国が表立って中国を非難することも、アメリカと共同声明を出すわけもない。

レイムダックのオバマ/ケリーがまともに相手にされないのは当然です。
中国も安心して西沙諸島にミサイル配備をできるということ。

あそこに滑走路とミサイル基地を悠々と整備したことは、将棋で言えば飛車を置いたことになるようなものかな。
フィリピンの米軍基地を撤退させた結果、軍事空白地域に軍事基地を築いたということ。

将棋盤に置き換えたら、これ以上いい手はないでしょう。

対抗して、アメリカも北朝鮮への牽制と表向きは表明して、F22を韓国に配備しました。そして最新迎撃ミサイルTHAADの配備も進めています。韓国という国は中国寄りを鮮明にしていますが、中国への牽制手段として米軍もおいそれとは在韓基地を手放せないことがわかります。

中国の対抗策は朴槿恵大統領政権下で韓国の経済支配を一層進めるでしょう。
次はこれまた親中派の潘基文が、大統領戦に出馬することは確実視されていますから、沖縄と同じように米軍基地排斥運動がおこるかもしれません。(現実に沖縄の状況と同様な議論が常に出ている)

台湾の地政学的価値は高まる一方



  さ あ 、 も り あ が っ
                  て
                     ま
                       い
                         り
                          ま
                           し
                           た
 

中国との経済連携(大陸との統合)を強く打ち出していた馬英九政権が総スカンで、圧倒的な人気で民進党・蔡英文総裁になりました。


独立国家承認という台湾人の悲願



実質独立状態でも台湾が独立宣言されて困る理由は、米軍の駐留が台湾政府と米国の二国でできるからです。
今は中国への配慮から戦闘機の供与ぐらいしかやっていません。日本も台湾との政府間交流は表向きないことになっています。(中国に配慮して国家承認をしていないから)


台湾の外務省である中華民国外交部も北朝鮮のミサイル発射を強く非難して米国と同調しています。
おそらく台湾上空を飛翔するミサイルの落下の可能性があるという理由で、台湾にも米国製ミサイルの配備を決める可能性が高くなりました。

台北よりも南の台南や高雄が最適ですね♪ 西沙諸島により近いから。

中国首脳は一層経済的な結びつきを強くして台湾の併合政策を強く進めるでしょう。
一方米国は台湾のTPP参加を求めていますし、台湾もTPP参加を非公式に打診しているようです。

中国の経済の行方次第では、台湾の独立宣言に続き、チベットなど中国内の独立運動も激しくなっていくでしょう。
このように中国も内憂外患状態ですから、一戦交えることなどできるわけがないです。それはアメリカも一緒。

大国のがまん比べがいつまで続くのでしょうか。

レイムダックのオバマにとって、大統領選に響くから、少しは大人しくしていてくれといった感情しかないでしょう。
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鼻詰まり解消の点鼻薬(血管収縮材)の常用は危険 薬剤性鼻炎の恐怖 
Thursday, February 18, 2016, 11:35 AM
2/18 晴 10時 浅草での空間線量は25ベクレル/立法メートル

昨日のためしてガッテンでやっていましたが、鼻甲介(びこうかい)という鼻の付け根にある温度湿度調節機能が、膨らむことで鼻づまりとなるそうです。鼻甲介は取り入れた空気の温度湿度調節のために一日1.5リットル〜2リットルの鼻水で常に潤されている状態です。

鼻は想像以上に酷使されているのだそうです。
だから日中は片鼻ずつ鼻甲介が腫れて、交互に鼻の穴を使うようになっているのだとか。

せっかく身体の防御反応・維持反応ですから、無理に鼻づまりを解消することは本来はないのだとか。

それでも鼻詰まりが長引く場合は、鼻うがいが有効です。
鼻腔の汚れや細菌により鼻甲介が腫れているのであれば、鼻うがいをお勧めします。

私も満員電車や人混みを歩いてきたときは、ぬるま湯で鼻うがいをします。
タオルで鼻腔を拭うと、結構真っ黒になりますから驚きます。

鼻詰まりを一時的に解消するにはペットボトルを脇に挟む



脇の下に鼻甲介への神経が通っているので、ペットボトルを脇に挟むと一時的に鼻甲介への血流が減少して鼻通りがよくなるのだとか。

点鼻薬(血管収縮材)の常用は、薬剤で鼻甲介の血管を収縮させるため、血流が阻害されて、それが常態化すると、鼻甲介の組織が壊れてしまうのです。

血流悪化により肥大した鼻甲介はもう元に戻らず、一生鼻づまりですごさねばならなくなります。ああ恐ろしや。

鼻づまりは脳の発達障害まで引き起こす



鼻づまりによる睡眠障害やイライラは誰でも経験したことはあるでしょう。たいてい子供は鼻が詰っているし、私も扁桃腺とアレルギーによる鼻づまりで悩んできました。

集中が持続しないのは、脳ではなく鼻が悪いからです。しかしそれを薬で抑えると、もう取り返しがつかない悲劇が待ち受けているということ。

鼻うがいの実践

これが最近の耳鼻科での最良の治療法と認められているのです。

これに似た話で、歯槽膿漏の治療があります。

かつては、歯茎を大きく切り取るという外科治療ちかないと思われてきました。また一度膿んだ歯茎は再生されないと見なされてきたのです。

可哀想に昔の歯槽膿漏患者は、歯茎を切り取られ、グラグラになった歯を入れ歯にさせられてしまった。
治療を受けたことで、いっそう咀嚼がこんなんな生活を強いられるようになったのです。

現在の歯槽膿漏では切らずに地道にブラッシング



歯茎は再生しないという常識はいまや過去の話です。極柔らかい極細の歯ブラシで丹念にブラッシングすれば、時間がかかるが歯茎は元に戻るのだそうです。

消毒薬とブラッシングによる完治するのが歯槽膿漏ということ。

虫歯もむやみやたらに削られましたが、いまは虫歯をつくる腔内細菌の除去だけで、軽度の虫歯は自然に埋められていくのです。

サラリーマン時代の強制的な歯科検診で健全な奥歯をガリガリ削られたので、頭にきます。

関連ログ:
2/18 10時 浅草での空間線量は10Bq/m^3
かつて世界で販売されていたラジウム入商品(メモ)
日本人には塩が足りない 「減塩」が元気と健康をそこなう
犬猫は微量放射線(低LET)が大好きなのです。
ハイルシュトレンストーンご愛用の皆様へ(Vol.004)
花粉症の原因は三度三度の飽食である(私の経験)
これからは「摂らない」という治療が主流になるだろう
2/22 10時 浅草での空間線量は10Bq/m^3
もっともな理屈の刷り込みに注意!(六城ラヂウムニュース Vol.17)

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原油を担保としているドルはまだまだ値を下げるだろう 
Wednesday, February 17, 2016, 12:12 PM
2/17 晴 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル

昨日主要産油国(サウジ・ロシア・カタール・ベネズエラ)が需給調整の合意に至ったと言うことで原油(WTI)先物価格が一時27→32ドルまで急騰しました。

これによってドル円で円安方向に動き、5日前には110円台であったのに114円台まで戻しました。

この値動きを見て思ったのは

ドルの価値=石油の価値


なんだなあということ。

しかし産油国の合意条件が生産量を1月実績で維持するといった程度で、実際には減産合意ではないことから、再び原油価格は落ちています。(現在29ドル台)

当分は30ドル近辺でよいとしたのでしょう。しかしこれから北半球は需要が減る季節へ向うので上がる傾向は望めません。

原油の決済通貨(基軸通貨)であるため、ドルは世界で使われ、アメリカにとって印刷すれば石油が手に入る魔法の紙切れです。

石油文明の終わりとなれば、自動的にドル覇権時代も終わりを告げることになります。

もっとも、再び最大の石油産出国となったアメリカにとって、ドルの基軸通貨を死守すべき理由もかつてよりは薄れています。

オバマの政策はどちらかというと中国との貿易不均衡からドル安容認だったはずです。アメリカ産業界からは当然の要求です。
中国南沙諸島の侵略に対して、軍事行動を採らないことなど、中国もお見通しです。

石油よりもガスパイプラインによる世界均衡へ



以下は2014年の天然ガス産出国上位10カ国です。(単位百万m3)

1 米国 728,265
2 ロシア 578,733
3 カタール 177,229
4 イラン 172,592
5 カナダ 162,038
6 中国 134,477
7 ノルウェー 108,820
8 サウジアラビア 108,241
9 アルジェリア 83,300
10 インドネシア 73,392

ロシアが二位中国が六位ですが、両国合わせれば首位の米国と肩を並べます。

以下は鉄鉱石の産出国上位10カ国です。(単位千トン:総て推定値)

1 中国 393,000
2 オーストラリア 315,000
3 ブラジル 257,600
4 インド 91,974
5 ロシア 64,000
6 ウクライナ 45,100
7 南アフリカ 40,500
8 米国 33,400
9 カナダ 24,900
10 イラン 17,500

ここでも中国が首位でロシアが補完している形です。オーストラリアがドルペッグを採用していますし、中国元も半ばドルと連動しています。

なぜこのような統計表を引用したのかというと

基軸通貨はコモディティー(消費財)バスケット方式にいつかはなる


と思うからです。

原油だけではなく鉱物資源までを担保とした基軸通貨がいつかはできあがるのでしょうが、その時は世界地図もだいぶ変わっているでしょう。

しかしまだ当分はドルの基軸通貨体制は崩れないだろうなというのが、今回のドルの(原油と連動した)値動きでの感想です。

左派のアメリカ大統領が登場したら、あんがいあっさりと基軸通貨体制が変わるかも知れませんけど。
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消費税増税がまず第一の戦犯である 
Tuesday, February 16, 2016, 05:40 PM
2/16 晴 10時 浅草での空間線量は26ベクレル/立法メートル

まだ少し早い気がしますが、確定申告のための準備を始めました。
一昨年2014年4月に消費税が8%となり、矢継ぎ早に半年の猶予期間をおいて10%にすることを安倍晋三が打ち出したことで、一気に消費が冷え込みました。

2014年8月あたりからは急速に売上がおちました。
いくら法人税を下げたところで、売上の小さな企業や個人商店は関係ないこと。

確定申告の提出書類を2014年と2015年を並べてみたのですが、景気は回復どころかますます悪くなっています。

私も欲しい物はがまんがまん

仕事道具も新しくしたいのですが、もう少しがんばってもらいましょう。
身一つなのでまだなんとか切り抜けられるのですが、育ち盛りの子供がいる世帯はよほど安定的な仕事か企業に勤めていない限り、家計は大変でしょう。

子供がいる家庭に一人あたり最低100万円ほど配れ



これぐらいの財政出動をしないかぎり少子化は止められないでしょう。
それほど世間は貧乏になったということを、自分の帳簿からも実感します。

安倍晋三内閣となって良いことなど何もないじゃないか!



こんな状況でもまだ50%もの支持率があることに驚きます。馬鹿で扱いやすいから支持している公務員や上場企業役員と開業医(日本医師会は自民の支持基盤)ぐらいではないでしょうか。


いやー、溜息しか出ませんわ。

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起承転結ではなく序破急という3テンポが肝要ということ 
Sunday, February 14, 2016, 04:54 PM
2/14 雨のち晴 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル
春一番の嵐の後、部屋の外は蒸し暑いです。

昨日の新聞書評でジャパネットタカタの高田前社長が能の理解として世阿弥の世界という書籍を紹介していました。
この本は読んだことがないのですが、能の場面は序破急という三つの場面で演じられることを知りました。

通販番組ではこの能の呼吸・間合いを意識して取り入れているのだとか。

能は観たことがありませんが、そういわれれば副島隆彦先生の文章はご本人が意識しているかしていないかわかりませんが、このテンポです。

商業文書において、学術論文風に要約→序章→本文→結論といった流れは、読者に苦痛を与えるだけだと一刀両断です。
序章のあとには結論(ページ数によっては真っ先に結論)を書いて、あとはそれを補足する文章で構成する形です。

推理小説でないかぎり、トップヘビー(頭でっかち)こそが読者の興味を持続させる描き方であると常々言われています。

能も話の始め(序)からすぐに物語が展開(破)、そして結論/クライマックス(急)の3テンポとなるとのこと。

通販番組のわずか数分間で、話に引き込んで、商品説明、今だけの特別提供とたしかに3段階だわ。

学校で呪文のように唱えさせられた起承転結では、どうしても場伸びしてしまうのですよね。4コマ漫画風でいえば最後のコマのオチがなければならない。

世の中オチの無い話のほうがほとんど



たぶん世界中で話されている会話や文章は99.999%面白みもない、つまらなく、だらだらとしたオチもない話ばかりです。

しかも日本語の最大欠陥である「主語のない話」を聞かされたら、私でなくとも「だからなんやねん」と言いたくなるもんです。

関西人がよくつかう「それでオチは?」という突き放した(侮蔑を含んだ)言い返しは、そういう苛立ちを表わしているのだと思います。

関西では3段オチという3拍で落とすという子供の頃からの習慣が身についているからでしょう。

起承転結という流れはテンポも歯切れも悪いのです。

関連ログ:ジャパネットたかたの高田明社長(64)は一食半

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12209032.html?rm=150
 『世阿弥の世界』/増田正造〈著〉

 ■自然と「序破急」になっていた ジャパネットたかた前社長・高田明さん

 「風姿花伝」を知ったのは2年ほど前。話し方を特訓中の社員が、世阿弥のことをテレビで見て「社長が言っていることに似ている」って教えてくれたんです。

 それで世阿弥を研究したこの本を読んでみた。「風姿花伝」は後世のために書いた秘伝の書。僕も退任を宣言した後で、「残したい」という思いに、感じるものがありました。能と通販では次元が違うかもしれないけど、人の心をどうつかむか、考え方は基本的に一緒です。僕は何千回と収録を繰り返す中で、商品の魅力を伝えるためには一体何を磨けばいいのかを、ただただ考えてきたんです。

 そうしたら、世阿弥の考えに自然と似ていた。僕がやってきたのは、世阿弥のいう「序破急」や「一調二機三声」だと気がつきました。序破急とは、どう話を展開するかという構成の考え方。一調二機三声は声の出し方や間の取り方。「2万9800円!」「金利負担!」って言う、その間が1秒違ってもだめなんです。以前は「3秒違う」「つかみが弱い」と教えていた。今は「序破急」と言えば、社員にはすっと伝わります。

 世阿弥は、三つの目が必要だと言った。まずは自分がどう見るか、という「我見」。「離見」という、見られている目も必要。消費者は何を求めているかを考える。そして、もう一つ、とても大事なのが全体を俯瞰(ふかん)する「離見の見」。私にとっては「見せる目」を意識するということであり、プレゼンテーションにつながります。

 新聞も同じじゃないですか。お客さんはサプライズを求める。世阿弥でいうところの「秘すれば花」ですね。「これをやってるのは朝日だけだよ」というものを作っていかなければいけない。リスクをとり続けないと企業は衰退してしまいます。

 退任には早いと言ってくれる人もいました。でも、世阿弥は、老人には老人の役割があると言った。ジャパネットを100年続く企業にするために、67歳の私なりの役割があるはずです。(集英社新書・821円)構成・守真弓

     *

 48年長崎県生まれ。ラジオとテレビの通販「株式会社たかた(現ジャパネットたかた)」を設立

 〈+d〉デ

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中央銀行のマイナス金利政策は銀行間取引を急速に縮小させた 
Saturday, February 13, 2016, 04:34 PM
2/13 晴 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル
本日は春一番、むわっとした暖かさです。

日銀がマイナス金利政策(NIRP:Negative Interest rate policy)を行ったことで、報道各社がその影響を解説しています。

なんか的外れ感が半端ではないなと感じていました。

本来マイナス金利であれば、銀行は日銀の当座預金に預けるよりも貸出を増やすであろうということは誰でも思いつきます。

現実はさらに不況感が強まっただけ。債券市場も株式市場も疑心暗鬼状態となっています。

愛読するメルマガ「10秒で読む日経」にはずばりNIRPは金融縮小策であると断言しています。

中央銀行がマイナス金利を導入することで銀行間取引(インターバンク)市場で猛烈に貸し渋りが発生していると言うこと。

日々の決済で足らない分を銀行間で融通し合うことで、決済業務に支障をきたさない仕組みです。たいていは翌日返済というごく短期です。

ところが中央銀行がNIRPを実行することで、貸出金利もマイナスですから、金を貸してお金も払うというトンチンカンな事例となっているということ。

インターバンクでの平均金利LIBOR(ライボー:London Interbank Offered Rate)の金利を調べてみると、翌日物で確かにマイナスです。

貸してあげるのにお金を払う異常事態



インターバンク市場は銀行の紳士協定で成り立っていますから、借りっぱなしというわけにはいかず、貸し出した実績が物を言う世界らしいです。金融でありながら人間的です。

さあ、そこにちょいと曰くありな銀行が、ちょいと金を融通してくれやと大きな顔でいたらどうでしょう。

断りたいのですが、なんせ今まで最大の貸し手であったために、おいそれと断れません。

昔あれほど融通してやったじゃねえかと凄まれたら、断りにくい。また自行が再び借りると言うことも十分可能性がある。

貸したくないけど、銀行のサークル内で一抜けたとできないところが、銀行の世界なのでしょう。

結局はインターバンクをできるだけ利用しないようにしよう



下手に貸して利息まで払って大きな損失を出したら、わざわざ貧乏くじを引くようなものです。
もしある銀行が決済不能に陥ったら、一気にデリバティブも崩壊するという破滅的な結論になります。

もちろん他行も無傷ではいられません。

となると、銀行間取引はできるだけ応じない、身の丈(自己資本)に見合った取引に限定するといった行動になるはずです。

こうしてNIRPを行ったことで、経済の血液である金融がますます縮小していくということです。

http://archives.mag2.com/0000102800/

                   2016/2/12 No.3233
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 10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
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   今日のNews
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●ドイツ最大の銀行、ドイツ銀行の経営悪化が世界の金融市場を揺さぶっている。
 2月に入って同行の債券の利払いが滞るとの臆測が金融市場で台頭し、株価も
 急落した。2015年決算で過去最大の赤字を計上したことが背景にある。「欧州
 最強の銀行」の突然の信用不安に地元ドイツは困惑。経営を立て直そうと経営
 トップの更迭や大規模なリストラを打ち出しているが、その先行きも不安視
 されている。
 リスク回避の動きを強める投資マネー。その標的となったのがドイツ銀行
 だった。「経営体力が低下して債券の利払いが滞る」。そんな噂が市場を駆け
 巡り、同行の株価は年初の6割の水準にまで落ち込んだ。
          日本経済新聞 2016年2月11日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★ドイツ銀行が世界の市場を揺るがしている。

 未払いの罰金が1兆円あったり、経営不安のフォルクスワーゲンに1兆円の追
 い貸ししたり、2割の行員をリストラしたり、20京円に上るデリバティブ取引
 の残高があったり、緊急時株式転換債(CoCo債)の価格が暴落したり、CDS
 (破綻時保障の保険料)価格が暴騰したりと、悪材料がてんこ盛りだ。

 中身が見えずに不安がられている20京円のデリバティブも8割は金利スワップ
 利払い時に相殺契約の差金を支払うだけの代物でそうたいした問題ではない。

 最大の問題はECBのNIRP(マイナス金利政策)。

 NIRPは金融緩和策ではなく、実質金融収縮策。

 金融機関は日々の顧客等との膨大な資金決済をしている。
 毎日丁度良い資金額がある訳ではないので、不足があった時にはインターバンク
 市場で貸し借りをして調達している。

 NIRPのせいで貸す側は利息を支払わなければいけなくなっている。
 誰が考えても、お金を貸して利息分の元本が減るより、現金で持っていた方が
 得だ。

 しかし、インターバンク市場で自分が借りる側に立つことも頻繁に起きるので
 マイナス金利だから、貸さずに借りるだけと言う取引をしていたのでは、いざ
 と言う時に借りれず、決済や企業存続に問題が出るので仕方なくマイナス金利
 で貸しているのが現状。

 ここで、とある金融機関に信用不安問題が起きたならどうなるだろう。

 信用不安のある金融機関に、利息を払ってまで金を貸す損になる行為をした
 挙句に元本も返ってこない可能性があるのだ。

 これは自分の会社に意図して損を与える「背任行為」にあたる。
 
 信用不安がある相手には、お金を貸さないことが、背任を逃れる方法なのだ。

 インターバンク市場で特定の金融機関にはお金を貸さない事がどこかで起きた
 なら、一瞬でその金融機関は資金繰り不足になり、破綻せざるを得ない。

 そうなると、その金融機関と契約していた多くのデリバティブ取引も反故になり
 その連鎖反応が次々と起こってドミノ式に金融機関の連鎖破たんが起きてしまう。
 そう。2008年に大量のCDSの契約相手となっていたAIGが資金不足と
 なって世界金融危機が起きたのと同じ事が起きるのではないか。

 世界の金融機関や投資家は、こうした想定をしているのが現在の市場の惨状と
 なっている。

 犯人はドイツ銀行ではなく、NIRPを推進するECBであり日本銀行であり
 スイス中央銀行でありスウェーデン中央銀行なのだ。

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自動高速取引(HFT)で下げが止まらず 
Friday, February 12, 2016, 01:16 PM
2/12 曇 10時 浅草での空間線量は25ベクレル/立法メートル

ドイツ銀行がいよいよヤバイという疑心暗鬼で金融パニックの手前です。債券市場は日銀マイナス金利決定で、

債券市場は実質死んでしまった


ということで、売買できる市場が機能しなくなったのですから、銀行株や保険会社株式は私の知っている限り、過去最低のレベルにまで下がっています。金融株はさらに一段安になるのではないでしょうか。

なんたってリーマンショックを越える毒がまだまだ出ていないですから。
元凶はもっと悪質なサブプライムを抱えるドイツ銀行です。

too big to fail(潰すには大きすぎる)

そんな状態にEUの中核銀行の一つがなっているのですから、余波はすごいもんがあります。

安全資産として、現物の金が急上昇、また比較的安全とする通貨円が猛烈に買い上げられています。

円が上がれば日本株式を売るというプログラミング売買が自動的に日経平均を押し下げています。原油安でアラブ諸国が実弾の投げ売りをしているという観測もありますが、そりゃわかりません。

HFT(High Freqency Trade)とは円高になれば一秒間に何千回何万回もコンピュータが自動的に売り注文を出す仕組みです。
こんなサイバー空間に手動で参加したところで、毟られてすぐに終わってしまうでしょうから、個人で株取引なんて娯楽として愉しむ以外は信じられません。

日本の株式市場自体もとっくの昔に死んでますからね

こんなことを書いている間にも休日明けの下げ幅は800円を越えて日経は14千円台です。月初は120円だったドルも112円(一時110円台)です。資産もなにもない私にとっては指標に過ぎずどうでもいい話。
歴史的な出来事があるかもしれないという野次馬根性だけです、このブログを読んでいらっしゃる方も似たような感覚ではないでしょうか。

抱きつき心中の様相をピタリ予言した



副島隆彦先生は8年前から日米抱きつき心中経済と評していましたが、EU(実質ドイツ第4帝国)も中国に抱きつき一緒に沈んでいくのでしょうか。日米欧の中央銀行ができることはゼロ金利をずっと継続するしか手段はありません。

副島隆彦 恐慌前夜

サブプライムの問題はリーマンショックで解決したのではなく、FRBは問題を先送りしただけで、何京ドルという天文的な数字の隠れ負債は存続していること。今回はドイツ銀行にもそれ以上の悪質なサブプライム証券を抱えていることがわかり、金融自体の信頼が失われている結果です。

バブル経済80年代の終わり頃は、私は大学生でした。なんか教室で発表する機会があり、石油エネルギーに依存しない生活スタイルを模索せねばならないという趣旨で発表をした記憶があります。まあ自転車やヨットが好きだから、自分の趣味の延長なんですけども。

機械化、動力化こそが日本の生産力向上という気運に反発心を抱いていたのです。
もちろん評価はけちょんけちょん。

石油はまだまだエネルギーの主役であり、電力や動力の源であるのですが、当時大学生であった私にとっては、工業文明はもうすでにやり尽くした感がありました。いまでも1990年代初頭でテクノロジー(金融工学も含む)はやり尽くしたと思っています。

現実、たとえインターネットなどの枝葉末節なテクノロジーが急激に普及したとしても、生活の質自体はずいぶん落ち込んだままという感慨です。バブル期以上の長時間労働や奴隷かと思うような極端な業務成果の押しつけです。

誰も幸せにならない世界なんてぶっ壊れて当然



HFTが市場関係者の意志に関わらず、情け容赦なくぶっ壊しています。ある意味ターミネーター(人工知能が支配する世紀末社会)のような未来の一部具現化したようなものかな。

大嫌いな会社ソフトバンクのCDS(クレジットデフォルトスワップ)が急上昇しているそうです。
東芝とソフトバンクの株式チャートを並べると、全く同じ曲線で下落しています。それでも暴落率が低いのは、日経平均を浮かばせるため公的資金で買い支えられているからでしょう。

昨晩、コミュニティズムについて駄文を残しましたけど、アメリカ大統領選でヒラリーのようなクソババアよりも、極左政治家であるバニー・サンダースを民主党主義者に多くの支持が集まるのは、当然だろうなあと思います。

ウォール街にとっては最悪な選択でしょうが、サンダースには私も注目しています。
なぜなら
コミュニティズム(共産主義)が解の一つかもしれないからです

それも中央官僚集権的ではなく、リバータリアニズム的であってほしいです。

戦国時代において、織田信長の楽市楽座政策(当時の官僚である坊主の許認可を剥奪した)が経済を回復したという歴史的な事実がありますからね。

過去ログ:導火線の端で火遊びしている世界経済(連鎖する大暴落のメカニズム)
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コミュニティズム(communitizm)万歳!地方経済の活性化はコミュニティにあり 
Friday, February 12, 2016, 01:43 AM
地域社会や同好仲間を示すカタカナ用語としてコミュニティ(community)という言葉が濫用されています。

集団を表わすグループ(group)、目的を持った集団はアソシエーション(association)など人の集まりを表わす言葉は英語ではいろいろあります。日本語英語ではサークル(circle)という同好会を表わす言葉がありますが、英語ではクラブ(club)が一般的です。

ところがなぜか日本ではコミュニティというと、町内会や狭い趣味を共有するオタク集団と極端に異なる意味が並立しています。

だから「コミュニティーの力を生かそう」などと過疎地域の爺婆を煽っても、コミュニティと言われても何のことだかわからないのだそうです。

そこに住んでいる人たちを活用する方法を探るのか、田舎暮らし・風景を愛する全国の人たちに助力を求めるのか、人それぞれで解釈が違うのだそうです。

コミュニティーといっても、目的を持った集団なのか、地縁などの集団であるかをしっかり見極めない限りあやふやな案しか出てこずに空中分解してしまうのだとか。

結局の所、コミュニティー、コミュニティーと連呼する行政や政治家の根本には何があるのかというと・・・

コミュニティ(community)とは同宗教・同思想下での協業のこと



つまり共産主義志向(communistic)です。

昨日は、大学関係でstudio・L 山崎亮氏の講演「地域創成とコミュニティデザイン」を聴きました。その後の私が抱いた漠然とした感想です。

元々は行政の依頼で公園や庭園を設計する会社なのだそうです。やがて地方でも子供が遊びに集まる公園を考え抜いた結論は、地域の人財を活用するという手段を用いるという結論に至ったということ。
具体的には、子供を遊ばせるためのリーダーを育成することです。ちょうど近隣に大学があり、教育学部系の学生らを動員することで親子連れの人気公園となったのだとか。

結論を聞けば、なんだそんなことかと思いますが、まだまだ地域活性化策におけるコミュニティー力の実例は続きます。

シャッター商店街がなぜかFacebookで盛り上がる



香川県観音寺市のシャッター商店街の実話です。寂れた商店街の活性化を行政の依頼で行う仕事を受けたので、実際に商店主らととことん話合いが行われたそうです。

もちろん、50人ぐらいの高齢の商店主が集まったところで、そんなに人がわんさか集まるようなイベントや改装案が出てくるわけがない。
しかも、商店主が次々に高齢化して、その跡取りが別の職人となったり、あまりにも喰えないから奥さんが別の商売を始めたりとカオスとなっています。

下着屋の中にケーキ屋(息子がパテシエ)があり、クリーニング店には妻の餃子屋が併設されていたりと店の中に別の店があるという末期的な状況です。

ここ浅草でも、裏通りの生鮮食料品店に一部は夜間はバーカウンターとなるところもあります。昼間は喫茶店、夜はバーという店もあります。そういう業態はたまに見かけますが、まだまだ一般化していません。

「Shop in Shop」というそうです。賃料が高いという理由以外には、観音寺市の商店街のように1990年代あたりから時が止まったまま、客足に見合わない広い店舗を持て余している窮余の策で、別の商売も併設しているという事例が特に多かったのだとか。

商店街としては恥ずべき状況であるのですが、山崎氏はこれこそ商店街を若返らせる策と見て、shop in shop化の推進を勧めます。

1970年代に拡張された無駄に広い店舗の一部を格安で貸し出す



店舗を持ちたい若者や地元のお母さんたちが、こぞって商店に加わって活況となり・・・ません。

だっていくら店舗の一部を無償で貸すといったところで、高齢の商店主らには若者達らとの接点はありません。

電通や博報堂といったメディアを牛耳る広告代理店であれば、巨額なコストと引き替えにバンバン全国ニュースででも流すでしょう。
タレントたちを動員するかも知れません。

もちろん人口6万人程度の市にはそんな予算はありません。それどころか行政からの予算はゼロ円です。

いい策だと思ったんだがなあ〜、まぁそんなことよりもせっかく普段は顔を会わさない商店主が一同に集まったんだから、飲むか、というか活性化策のワークショップ自体が、呑み会目的になりつつあります。

そこでワークショップを行う日は誘い合って飲みに行かないこと誓約させたそうです。考えに身が入らないからね。

それぞれバラバラの居酒屋でもスマホで呑ミニケーション



呑兵衛同士が別々の居酒屋での写真をFacebookに揚げたことで、予想もしないことに居酒屋にいるだけを知らせるだけのFaceBookサイトが大人気になります。

Facebookで「今宵もはじまりました」というそうです。

これが寂しい独り呑みの心を掴んだのかどうかはわかりませんけども、なぜか地域で大受けして、とうとうインターネット放送もはじまってしまったそうです。(視聴者よりも実際に居酒屋にかけつけて来る方が多いそうですが)

なんのことはない、酔っぱらいのクダ話を流しているだけですが、年齢層を越えた別のコミュニティが自発的に生まれたのだそうです。

こうして出店希望の若者達や専業主婦が自然と集まったのだそうです。

コミュニティは異種コミュニティが加わらないと活性化しない



上記のシャッター商店街は若者や副業での出店希望者が加わり、人通りが回復したそうです。
または呉服店に出店した芸大の学生が呉服のモチーフにしたデザイン商品で土産物でも好評を博しているのだそうです。

仏具店の中にビリヤードバーがあったりという意外性も観光の目玉となったとのこと。

このような福次的なことが連鎖したことで、観音寺市商店街は盛り上がっているそうです。

まじめな遊びごころを斬り捨ててはならない



年寄の手慰みの手芸品だけを集めた家庭内博物館、瀬戸内海の島々でののろし通信など、東京では全く知られていないが、地元では大盛り上がりの実例はいくつもあるそうです。

結局は東京では(全国的に)知られていない意外性と、素朴な人々の交流が観光客の満足度をほぼ100%まで高めているのです。

結局過疎地域というコミュニティが、「普通の旅では飽き足らない旅行者」や「単にのろしを揚げたいだけ」という異種コミュニティが加わったことで化学反応が起きるのだというのが、山崎亮氏の結論でした。

そしてコミュニティが基本的には閉鎖的であることは、それほど問題ではなく、むしろ一致団結で一方向に動き出したらすごい潜在能力を発揮するのだそうです。

我が故郷の「だんじり(山車)祭」なんかが良い例です。学校の先生まで祭の前から、法被や金髪パーマになっちゃいます。

過去ログ:>年金資金(GPIF)につづき堂々と郵貯に手を伸ばす政府・財務省
地方再生へのブループリント
災害地は役所まで人不足 過疎地域の復興とは
造り直すという快感
朝日新聞連載 「プロメテウスの罠 地底をねらえ」(1) 服部禎男と不愉快な仲間達
11/22 7時 浅草での空間線量は12Bq/m^3
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表計算ソフトEXCELが好きな人は数学的な素養がある 
Wednesday, February 10, 2016, 11:17 AM
2/10 晴 10時 浅草での空間線量は29ベクレル/立法メートル

ワナにはまらないベクトル数列 大上丈彦著 技術評論社 (2015/9/26)

昨年末に買って、ずっと枕元に置いて読んでいる本です。
一応数学で挫折している高校生向けとなっていますが、十二分に元高校生の私でもためになる本です。

ベクトルとか行列と聞いて鳥肌が立つか悪寒がする人も多いのではないでしょうか。

実は私も行列という数学的な概念が、なぜ必要なのかわからずに学校を卒業してしまいました。
だってね、結局は手計算ではどっちみち連立方程式の形にして、こっちを移項してあっちに代入して・・・といった具体で、めんどくさいことこの上なし。

単に式の書き方を省略した記述様式が行列というものだと思いこんでいました。

またベクトルは力の大きさと向きを、視覚的に表わして理解しやすいだけの概念。小難しく言うと数式ではなく幾何学的(図形)で解決する手段だと思いこんでいました。

ところが情報処理会社で仕事を始めると、どうもこの考えが全く違うということに気づきます。

25年前ですからパソコンが普及し始めたころ。ワープロソフト「一太郎」と表計算ソフト「Lotus1-2-3」が大人気だった頃の話です。

そんな黎明期ですから、仕事で使うソフトは自分で一から打ち込まねばなりません。また誰も教えてくれません。

当時のコンピュータでの仕事の基本的な流れは、

用意したデータ=>{コンピュータで加工/処理/集計}=>紙や画面に印刷・表示

となります。コンピュータ利用者はInput/Outputだけを見ればいいだけです。
まだパッケージソフトウェア(ソフト)が今のように流通していない時代ですし、コンピュータもパソコンも各社各様で、それぞれ別々に用意してあげなければならない時代です。

IBM、富士通とNEC、HPとSUNそれぞれインストールしても、まずは動きません。もちろん日本語も表示はできましたが、各社互換性がないので、ローマ字か英語です。もっとも日本語が打てるプリンターもなかったし、誰もおかしいとは思っていなかったかな。

自分はCADソフト(画面で建築物を設計し立体化して表示するソフト)を担当して、座標データから画面にそれらしく表示するというプログラムを組む仕事でした。

最初にテストとしてサイコロ(6面体)を画面に表示させるプログラムを書いたとします。
六つの座標点を画面に投影すればいいのですから、これは比較的簡単にできます。
8つの点が画面に映ることは成功。そしてその点と点に線を引けば、なんとなくサイコロっぽく見える。
次は、そのサイコロを任意に回転させる(駒のようにまわす)という課題が与えられます。
たとえば原点から30度反時計回りに回転させるのであれば、各座標に三角関数(sin30、cos30)を掛けてやればいいだけ。これも楽々クリア。

また表示する際に、拡大や縮小も、各座標点を2倍や3倍といった具合に係数をかければいいのです。
これぐらいなら表計算ソフトでデータは用意できます。

今度は線だけの表示ではなく、サイコロの各面に着色していっそうサイコロらしくしろという課題が与えられます。線で囲まれた領域を塗りつぶすだけではサイコロに見えません。
各点がどの面に含まれているかを判断する必要がでてきます。

ここらへんとなると表計算ソフトでは対応しきれません。直線の方程式(0=ax+by+c)ではなく平面の方程式(0=ax+by+cz+d)で一つ一つ座標点を判断するプログラムをつくります。

きわめつけは「影をつけろ」という課題。こうなってくると表計算ソフトで手計算させるわけにはいきません。真面目にコンピュータグラフィックス(幾何学)の教科書を読み始めることになります。当時は大手建設会社の下請で、日陰の計算だけを専門にする会社もあったぐらいです。

投影や拡大縮小、回転、座標変換といった小難しい用語に辟易しながら読み進めていきます。手当たり次第コンピュータで試していきます。こうして行列やベクトルが、実はコンピュータソフト開発では重要な概念であり、最強の道具であることに気づきました。

苦労して出来上がったソフトウェアは、自分ではなかなか良くできたと思っていたのですが、なんせパソコンといっても今の携帯電話よりも貧弱で、簡単な犬小屋程度のデータ(数百点の座標)でも計算に数分(もっとかかると数時間)はかかるという代物で実用にはほど遠いものでした。(デジタルカメラがもしあったとしても、パソコンレベルでは精々白黒のドットで表示させるしかできません。)

ベクトル行列演算はすべてプログラムで処理するしかなかったからです。ゲーム機・セガサターンはベクトル行列演算専用にべつのCPUを搭載していたので、滑らかな立体表示ができるので人気を博しました。それから数年後、パソコンでもグラフィックス・チップという演算専用のCPUが搭載されるようになり、劇的に処理速度が速くなり、自動車メーカーなどでも急速にパソコンの導入が進んだのです。(※正確に言うとワークステーションというパソコンよりもはるかに高級(数百万円)な専用機)

実は当時悩んで解決できなかった処理(立体同士の接合部分の陰影処理)が製造現場や建築現場で広く使われているデファクトスタンダードなソフトウェアAutoCADでも、全く解決されていないことを知って一人ほくそ笑んでいました。

何を言いたいのかというと

コンピュータソフト開発に数学センスは必須


ということです。

まあ女の子のアニメキャラを描けるから、コンピュータソフトで一攫千金を目指すという若者もいるのでしょうけども、私と同じように早々壁に突き当たるでしょう。結局3次元(3D)でアニメを動かすには、つまり行列とベクトルの演算です。

またドラゴンクエストのよなロールプレイングゲームも、強さだとかエネルギーだとかいう数値を一斉に入れ替える演算が必要です。
そんな時には強い味方「行列演算」がいることを知ると、

あ〜なんで高校数学をもっと真剣にやっておかなかったんだ


と20代中盤で強く強く反省することになります。それが俺。

今でも行列ベクトルとはなんぞやという疑問を抱き続けていたので、丸善の数学書コーナーに高校生向けの解説書があったため、迷わず手に取りました。著者も同時代にコンピュータソフトを開発していた方で、頭が良いから今は医者です。

プログラマーとして道具としての行列ベクトルに取り組んできたからこそ、かつてプログラマーだった私にも理解しやすいのです。

今はパソコンでの利用は、大部分がインターネットの閲覧とメールや写真の保存といった利用が大半でしょう。
インターネットもデジタルカメラも無かった頃、心底便利だなあと感心したのは表計算ソフトです。

Lotus1-2-3、VisiCalc(後のMS-EXCEL)がもてはやされていました。報告書から回覧板といった文書清書機としての使い方から、大型汎用機に入力するデータの前処理として事務方も技術畑でも絶賛してましたっけ。

なんせ一台のコンピュータを何十人何百人で共有するわけですから、パンチャーというデータ入力係とプログラマーというコンピュータ処理担当、そして各仕事を受け付けるコンピュータ管理者と、一つのデータ処理でも何人もの部署が連携していた時代の話。

もちろん、今ではすべて一人でできるし、目の前の数万円のパソコンでできること。高層建築物の日陰のシミュレーションなんて設計者がついでにやる仕事になってしまいました。

ホワイトカラーとエンジニアの境目が曖昧になっていく



いまでは企業でコンピュータが1人一台はあたりまえです。コンピュータ化黎明期に企業内講師として全国の支店営業所に回っていた経験があります。そこで一番ウケた話はExcelです。

それまでは本社からプリントされた売上データが毎朝一番に届き、それを事務の女の子や所長らが、蛍光マーカーで線を引いたり、電卓や算盤で集計して、朝礼で発表という業務が長年行われていました。

それが末端でもPCで見られるとなると、支店別/営業所別/営業担当者別などなどいろいろな切り口で独自にいじれるようになると、どんどん独自に集計してみたくなるのです。

時系列での比較とか、競合品との比較とか、地域別や販売先での比較だとか営業方針や営業スタイルで千差万別

それを昔は本社のコンピュータ担当者がいちいち要望を聞いて、人員を手配して、何週間や何ヶ月もかけてデータ処理していたので、実際は隔靴掻痒(かっかそうよう)な状況でした。

ところが集められた生データさえあれば、営業所や個人のPCでもできるようになると、本社のコンピュータ担当なんてもういらんとなるわけです。

Excelの講義でも、合計や平均値ぐらいから、簡単な統計処理(順位、中央値、標準偏差)といった処理を目の前でやってあげると、我先にやりだします。マクロという簡易プログラムでの処理の実例をしてあげたところ、明日から朝はコーヒーを飲む余裕ができましたと女子社員は万歳三唱していたぐらいです。(それまで数人がプリントアウトされた紙と格闘して一時間はかかった作業がボタン一発数十秒で終了)

Excelはプログラミング機能を内蔵した強力なソフトウェアで、日々のルーチンワークなんてほとんど代替できてしまいました。特に女子社員(高卒か短大卒)たちは熱心にExcelを勉強していましたね。なんたって自分の仕事が楽になるから。

部外者からは真っ白なプリント用紙(帳票)に並んだ数字にしか見えないのですけども、それは彼女らにとっては生きた数字です。
Excelという加工ツールを手にすると、目の色を変えて遊んでました。たとえばカラフルなグラフにしたり、かわいらしいプレゼン資料といった具合。

みんな口々に言ったことは「Excelさえあれば何も要らない」、そう私もかつて新入社員の頃「Lotus1-2-3さえあれば何も要らない」と言って周囲から笑われていたのです。(そこから数学世界の泥沼に入っていったのですけども)

理系だから数字に強い、文系だから数字に弱いというものではなく、そもそも理系や文系という区分自体があるとは思えません。
誰もが数学の素養はあるのです。

なぜなら数字(数式)も言葉(表現方法)の一種だから



ワナにはまらないベクトル数列(大上丈彦著 技術評論社)を読みながら、数字の概念を拡張したものがベクトルや数列であるから、誰もがちゃんとそこを踏まえれば、誰もが理解できるということに気づかせてくれます。

この本を高校生で読んでいれば、いまでは一流技術者だったろうなあと思っています。とにかく数学嫌いを自認する方にもお薦めのシリーズです。頁数が多いので、一気に読むことは骨が折れるでしょうが、職業プログラマーってこんな事を考えているのかというコンピュータ入門書としても愉しめます。

関連ログ:高校で習う微分積分と大学からの微分積分は違うのです
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火災があった高層マンションは強度低下している 
Tuesday, February 9, 2016, 12:13 PM
2/9 晴 10時 浅草での空間線量は28ベクレル/立法メートル

昨日、所沢の超高層住宅(31階建て)の中階15階が燃えるというニュースを見ました。
幸い死者はいなかったようですが

6時間も燃え続けた



消防車もはしご車も届かない高さですから、高層マンション自体の消防設備(スプリンクラー)でしか対処できません。

部屋には大量の可燃物(衣類)があったそうで、煙と炎が吹き出すほどの火力です。
私がこのニュースを見て思ったのは、マンション一棟まるまる資産価値が無くなったなあということ。

細長い建物の真ん中だけが弱くなったら、さて地震の時にどうなるでしょうか。
ぐらっと来たらポキっと逝っちゃいます。

これだけの激しい火災がおきれば、鉄骨造りだろうか、コンクリ造りだろうが部材が熱によって変成してしまっていることは素人目でもわかります。

去年の3月にも千代田区の超高層マンション(25階建て区営住宅)で火災がありました。これも建ったばかりなのに、外壁が歪むほどの火災でした。こちらもはしご車が届かず、自然鎮火を眺めているだけ。

このときは上層に近いから、まあナントカ修繕で全体は持つかもしれないし、どうせ賃貸住宅で、家賃下げれば都心の一等地だから住む人もいるかもしれません。

コンクリも鉄も高熱に晒されると弱くなる



意外かも知れませんが、コンクリートって思ったほど耐久性はないです。30〜40年経った橋や陸橋でも白っぽく風化していたり、鉄筋が露出するほど欠損しているなど珍しくはありません。国道や高速道路は国交省が税金を投入しているのでマシですが、地方の県道や市道レベルはだいたい予算自体がないです。

2/12 追記:コンクリートには耐久性がないのではなく、日本のセメントには鉄鋼スラグ、つまり製鉄での廃棄物を混ぜることが1970年以降は義務づけられているため、そもそも国産コンクリートは粗悪品なのです。
過去ログ:産業廃棄物は毎度のように農家に押しつけろ!(大企業と結託する農協)

なにもしなくても崩壊していくのがコンクリートですし、塗料が剥がれれば錆びるのが鉄です。まあ公共建築物は作り直せば済む話ですから、我々はどうでもいい話。

私の住む東京浅草は、基本的に木造住宅は建てられない地域です。よくは知らないのですが、建直すには耐火基準を満たしていないといけないはず。多くは軽量鉄骨と耐火ボードか、コンクリート造りのはず。

ただ密集地帯ですから、燃えないのではなく延焼しにくい程度だと思います。丸焼けの火事は案外身近で起こっています。すぐに建直されるから気になりませんが、あれっここ昨年火事で焼けた所じゃなかったかなと思っていても、マンションや一軒家がすぐに建ってしまいますから。

建築学会やらのWebを眺めていると、けっこうヤバイ話が載っています。
基本的にコンクリートは熱を受けると内部の水分が蒸発してしまい、ボロボロの砂状になっていくのだとか。当然強度は著しく低下します。鉄も溶点は1500度前後ですが、一般的な火災(500〜1000度)でも急激に強度が落ちると言われています。300度程度でも火を受けている間に膨張したりして変形してしまうとのこと。建築用語で「火害」と言うようです。

ただ高層マンションは火災があっても、結局は簡易的な補強を入れる程度しかできないでしょう。逆に補強を入れすぎると揺れに対する柔構造が失われるので、そう簡単でもなさそうです。

結局の所、高層マンション全体が欠陥となる


ネット情報では同じ階、築15年3LDK(76m^2)3300万円で売り出されています。
お気の毒としかいいようがありませんね。
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LEATHERMAN(レザーマン)は台所で重宝する道具のひとつ 
Monday, February 8, 2016, 11:31 AM
2/8 晴 10時 浅草での空間線量は25ベクレル/立法メートル

レザーマンというペンチ型の十徳ナイフ(マルチツール)があります。元祖はアメリカのLEATHERMAN社が作った工具ですが、その偽物(中国製)もづいぶん多く出回っています。

本物は2万円近くしますが、偽物は1000円程度

本場のアメリカでは軍隊や警備隊、消防隊に配布されているそうです。緊急時に頼れる道具です。

十徳ナイフで有名なのはビクトリノックス(Victrinox)というスイスのブランドがあります。登山用品店や刃物屋さんでは定番商品として陳列されています。

これの一番小さい奴をキーホルダーとして使っている人も多いです。私もそう。
ナイフと小さな鋏がついているものを長年愛用しています。
出先でちょっと切る機会のときに重宝します。たとえば包装物を開けるときやちょっとしたネジの増し締め、鋏は鼻毛切り(笑)

鍵束を無くしたときに真っ先に買い直したのが、ビクトリノックスです。

一方、レザーマン(私のは偽物)は台所のガスレンジの横におきっぱなしになっています。
缶切りや栓抜きを引き出しの奥から引っ張り出すよりも、ついついそれに手を伸ばしてしまいます。

一番使用頻度が高いのはねじ回し(ドライバー)です。

鍋の取っ手や蓋のつまみが緩んでくると、さっと出してキュッと締めおきます。
いちいち工具箱をもってきてねじ回しを探すよりも断然早い。

またプライヤー(ペンチ)はオーブンで焼き型を取り出すときなど、ちょっと摘む時に使います。

こういうことで、台所では結構重宝する道具なんですけども、こういうのが好きなのは男性が多いでしょう。上野のアメ横にナイフショップがあり、買い物ついでに立ち寄って眺めているのが好きです。

買うつもりは無かったのに、ついつい陳列ケースから出してもらって、衝動買いしたのが上の写真
LEATHERMAN LEAP(右は参考に愛用しているVictrinox classic)

いろいろな商品を並べてくれたのですが、金属質が全くなく日本人の手にすっぽり収まる握り具合に一目惚れしてしまいました。

驚いたのは、昨年出たばかりの新商品で、アメリカでは学童用なのです。ハサミやのこぎり、ペンチ(プライヤー)ドライバーで工作の授業で使われるのだそうです。

ちいさな子供にナイフは危険ということで、ナイフも後付で組み込むことができます。
米国版肥後の守(ひごのかみ)といったところでしょうか。

なーんだ、アメリカの学童用の十徳ナイフじゃないかと思われるかも知れませんが、これが使ってみるとまさに私にとってはジャストフィット。他のラインナップの製品は、屋外で太いロープを切断するとか、太いワイヤーを切るとか、ボルトを締めるとか過酷な使用を前提としているため、頑丈で重くデカイです。

このような工具は、ライフル銃の銃の組立分解・メンテナンスでは必携必須であるという文化背景もあります。
だからちゃちな物よりも、無骨であっても高品質な道具が広く支持されているのでしょう。

こいつはプラスチックが使われていて、金属の冷たさがなく素手でも扱いやすい。学童向けといってもなかなか侮れません。
父親が最初に息子へ渡すためのモデルなのだとか。先が尖ったナイフは実際使うと使う場面はあまりありません。このモデルの刃はナイフ然とした湾曲はなく、カッターナイフと同じく真っ直ぐな形状で、研ぎやすく鉛筆などを削るには最適です。

アメリカで60ドルです。他の商品はだいたい2倍から3倍しますから、レザーマンブランドでは低価格帯のものですが、造りも安全性も抜群で十分その価値に見合ったものです。



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梅園行って、猿を観に行ってきた 
Sunday, February 7, 2016, 11:53 PM
2/7 晴 17時 浅草での空間線量は22ベクレル/立法メートル

まだ外を歩くと足先や耳が冷たいです。でも陽射しがあるので愛車を走らせました。
ひたすら第二京浜と呼ばれる国道1号を走ります。

どこへ行くかというと、まずは池上本門寺に梅園があります。そこは大田区の公園となっていて、入場料100円ですが、きれいに整備されています。65歳以上は無料です。



梅園ですから、この時期だけは賑わっています。池上本門寺のお参りついでにどうぞ。
あとまた第二京浜をひたすら西へ走り、横浜駅から横須賀方面へ曲がります。

目的地は桜木町です。
そこから野毛山動物園を目指します。ここらへんは難度か来ているのですけども、動物園には入ったことはなかった。

だってチャリンコで10分の距離に上野動物園がありますから、わざわざ横浜の動物園にまで入ってみることはなかったのです。

なぜ入る気になったのか?

野毛山動物園は入場無料です



それだけなんですけども、なんと横浜市が経営している立派な動物園でした。羊や山羊、ダチョウ程度が囲われているだけの、なんちゃって動物公園かと今まで思っていたのです。

獣医や飼育スタッフを抱える整った動物園でした。子供連れとデートで賑わっていました。
横浜デートの定番だそうです。



野毛山から下って、煉瓦倉庫やみなとみらいを散策して、今度は第一京浜(国道15号)でそのまま上野まで走ってかえりました。なんてことはない一日ですが、もう春だなと感じました。

あっ、愛車っていっても自転車です。

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数学ができる人とは、すべてが数学的に関連していることを直感で持つ人である 
Friday, February 5, 2016, 05:16 PM
2/5 晴 10時 浅草での空間線量は18ベクレル/立法メートル

NHK教育で放映されていた白熱教室「ラングランズプログラムへの招待」という番組を観ました。ずいぶん前に録画しておいたのですが、なかなか興味がない限り見続けることが苦痛な番組で1時間の4回シリーズを見終ることなくほっておいたのです。

こちらのURLですべてネットで見ることが出来ます。

http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/math/index.html

インフルエンザで何も気力が湧かない、横になりながら一気に視聴しました。NHKのWebにある概要の冒頭は以下です。

数学界でこの半世紀の間に大発展をとげた重要かつミステリアスな“予想”がある。「ラングランズ・プログラム(Langlands Program)」と呼ばれるものだ。
数論や調和解析などと呼ばれる、数学の様々な分野が実は“地続き”で、最終的には“統一”できるかもしれないという、いわば数学の大統一理論である。


そうなんです、幾何学と解析学、そして数論という数学それぞれの独立していると思われていたシマが、それぞれ結びついているという仮説です。

幾何学とは図形です。直角三角形のピタゴラスの定理とか三角形の内角の和が180度といったユークリッド幾何学から、球面上での図形で考える非ユークリッドとか、まあそんなもの。

美術で習う遠近法は数学的試行から生まれました



解析学とは、高校で習った基礎解析という数式で表わす手法のこと。その数式で大事な要素は三角関数。
つまり解析学とは三角関数でなんらかの事象を表わしてシミュレーション(もしくはモデル化)するということです。

三角関数と言われれば、イメージとしては真っ直ぐなグラフではなく、波模様を思い浮かべてもらうといいでしょう。

波模様はすべて三角関数で表わすことができます。たとえば音も空気の振動ですし、飛行機のレーダーも潜水艦のソナーもすべて跳ね返った波(音波・電波)を一旦数式に置き換えることで、いろいろな成分を抽出することができるのです。

音楽のハーモニー(旋律)も解析学という数学です



そして純粋に数字自体の性質を研究するのが数論という世界。素数の発生には規則性があるのかを研究したり、なんらかの法則を求めるというもの。たとえば小数点が延々と続く割算(比)で表わすことができない数字があることだとか、ルート(根)といった数ですね。

またマイナス(負)という概念も、数論において自然に発生した概念です。

数字を直線上に1,2,3と並べていって、それじゃあ逆方向にも置いた方が何かと便利だね・・・という人に多くが賛同したことでマイナス(負)という概念が一般化したのです。

ちなみにマイナス×マイナスはプラスになるのはなぜかと子供さんに聞かれたらどう答えるでしょうか。

<数学的な>答えは「マイナスを掛ける演算は原点(o)を中心に180度換える操作だから」となります。
これを数字の対称性(Symmetry)と言います。

数学の世界では、対称性があること。すなわち二乗したら2になる数はルート2と−ルート2があることが当然なのです。

この数の対称性に着目したのが19世紀フランスのガロアという少年です。残念なことに20歳で決闘で命を落とします。

原子核内部にも対称性の法則がある



群には双対の群が存在するという考えがラングランズの考え。三角関数という波模様は周期をずらしても同じとなることなど、数学的にはよくみられること。

これが素粒子(陽子中性子の構成要素)の種類と同じだということ。

物理学の世界と数学の世界は共通であったということ。しかし数学は物理学の力(電磁気、核の崩壊の力、素粒子の結びつく力)以外でもいくらでも仮定することができるということ。(実在しなくても机上で数学的に定義さえすればよいことだから)

難しい話だったっけども、現代数学者と素粒子物理学者は同じ対象を違う机で研究していると言うことがわかります。
その机は徐々に近づいているということです。

4時間テレビを眺めてわかったことはこれぐらいでした。はぁ疲れた。

過去のNHK白熱教室の感想は以下にリンクしておきます。

過去ログ:Newtonの法則で銀河系の全質量までわかる!(数学の力)
すっきりしない数字こそ天地創造のヒントがある
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不動産仲介業という業界にうんざりです(マクドナルド化した不動産仲介業) 
Thursday, February 4, 2016, 06:49 PM
2/4 晴 10時 浅草での空間線量は18ベクレル/立法メートル

月曜から4日経ってインフルエンザが治りかけて普通に生活していますが、まだ少々頭痛がします。

六城ラヂウムの目下の懸案は、近々移転をする必要に迫られていることです。
そこで不動産屋めぐりを近隣から始めているのですが、どこもやる気無くPCを叩いてプリントアウトしてくれる物件は同じです。

不動産屋でしか見られないのであれば、それなりに価値がありますが、別に自宅でもわかるものです。
すでにそんなものは知ってます。

結局、街の不動産屋という存在はなんのためにあるのだろうかという疑念が湧きます。
地域に根ざして、大家の依頼で借り手を捜しているというわけでもありません。

他所に依頼された物件を窓ガラスに貼っているだけで、あとはせいぜい現地に案内するぐらいでしょう。
もちろん、貼りだしているから物件を知っているというわけでもない。

今日も買い物ついでに不動産屋に立ち寄ってみましたが、案の定提案してくるのは同じもの。
近隣の不動産屋で見たことを伝えると、どこ行っても同じものしかないよとあしらわれて終わりです。

空き家は散策すればいくらでもあるのですが、そういうところが不動産屋の店頭で案内されたことは一度もない。

やる気があるのかと疑ってしまいます。

もっとも、街の不動産屋のイメージは昔から暇そうに新聞でも読んであくびしているオヤジが佇んでいるというものですから、何も変わっていないと言うこと。

変わったことは賃貸物件はほぼインターネットで誰でも検索できることです。

つまり街の不動産屋はその端末に過ぎないということ。

それでも、運良く客が転がり込んで成約に結びつけば、仲介手数料として家賃一ヶ月分と更新月(二年に一度)に家賃一ヶ月が何もせずに転がり込んでくるのですから、美味しい職業とも言えます。(正確には元請けと紹介者で仲介手数料は折半されます)

新規の客がいなくても、既存の契約客がそのまま居住してくれれば、二年に一度は収入が確保されているから、無駄に開拓したり営業をする必要もないということ。

提灯アンコウのようにひたすら口を開けておくだけ

ずっと感じていますが、日本の賃貸住宅は悲しいほど貧相ですし、不動産の流通がしにくい仕組みです。

不動産仲介業というダークな既得権益でがんじがらめな業界は、ほんとうに淀みきっていると思います。

また大家もみずからアピールすることもなく、募集は不動産屋に丸投げして、コンピュータに登録してもらうだけです。たがいに座ってただ待つだけというだらしのない関係です。
(街の不動産屋は貸し屋のコンピュータ登録の窓口でしかありません)

物の売り買いでは、結局は互いに納得する条件提示で合意することが必須であるのに、なぜか日本の不動産取引ではそのようなことはタブーとされてしまいます。

たとえば、家賃の値下げ交渉や、礼金という不可思議な費用、そして5年でも10年でも任意であるべきなのに2年で契約更新という、はやく出ろと言わんばかりの契約条件など、いろいろ不満が募ります。

大家さんと直接契約すれば、契約更新などという条件はありません。あくまでも不動産仲介屋の食い扶持のためにある条項です。

携帯電話屋がなぜこれほど街中にあるかというと、そこで契約した客の利用料が店に何パーセントか戻されるからです。
だから0円で端末を渡しても、何年も契約を続けてくれれば、その携帯屋にはお金が落ちるという仕組みです。権利ビジネスというそうです。

不動産屋も同じで、自前の顧客から更新料をかっぱいでいるだけの業界。インターネット時代で誰でも同じ情報に接することができるのに、あまりにも消費者不在のお手盛りです。


馬鹿安倍晋三が携帯電話の料金に文句をいうのならば、不動産の流通や賃貸住宅の競争促進案などもっともっとやることあるだろうと思います。

引越をするたびに不動産仲介業界を不快に思います。ネット時代では単なる化石か寄生虫のような業界です。ここが変わらないと不動産の流通は活発にならないでしょう。
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麻布警察署の留置所は3食コッペパンだそうで 
Wednesday, February 3, 2016, 01:58 PM
2/3 晴 10時 浅草での空間線量は18ベクレル/立法メートル

元プロ野球選手の清原和博が覚醒剤常習で逮捕されたというニュースが流れてます。何年前から週刊誌で囁かれていたので、いまさら感もあります。東麻布の自宅で逮捕されたのであれば、六本木の麻布警察署に留置されているのでしょう。

狭い建物で各フロア毎で部署が違います。留置所は2階だったかな、3階だったかな。
その上が刑事課で、味気ないスチールデスクを挟んで、まんまドラマのような会話がなされてました。「コロシの現場」とか「仏さんこれから引き取ってきます」とか当たり前のように立ち話されているのにすごい違和感があります。

そのフロアだけは私服姿が多いので、誰が刑事なのかもよくわかりません。
私が足を踏み入れると、入り口の中肉中背の若者が「どうもご苦労様です」とおじぎをしてくれたので、警察官なのだと思い「あっ、どうも」とこちらも頭を下げます。

すると、近くの強面の巨漢がすかさず「余計なこと言わずさっさと歩け」とせき立てています。
おかしな事をいうなあと、よく見ると若者には腰に縄が巻いてあって、取調室に連行される途中でした。(おいおい)

とにかく狭い署なので、近くの会話がまる聞こえです。通路も人が行き交うのですが、私服姿ばかりで誰が刑事なのか被疑者なのかもごっちゃごちゃで一見にはわかりません。ドスの効いた声が隣の取調室(薄いバーテーション)からも聞こえてきます。

私も即席で作ったような打合せ室のような部屋に案内されました。

私の場合は、自転車泥棒の被害者として警察に呼ばれたのです。
夜間に職務質問した中国人留学生が私の自転車に乗っていたので、自転車の確認と刑事罰にしない上申書に捺印しに行ったのです。

狭い取調室で詳しいいきさつを聞くと、私のお買い物自転車を誰かに盗られて鍵をかけずに東京駅近くに放置されていたのだとか。その後、中国人留学生君は終電を逃して途方に暮れているときに私の自転車が目に入り、それで千葉まで帰るつもりだったんだとか。

運悪く職務質問に遭い、自転車に書いてある私の名前と住所、電話番号と乗っている人物が全く違うことから、私に確認の電話があり、そこで初めて私の自転車が盗まれていたということを知ったわけです。

つまり最初の犯人が東京駅まで私の自転車を乗って、放置していった。それをまた中国人留学生君が悪いと思ながらも、それを乗って帰ろうとしたということ。

警察署で十分諭して叱ったから、被害者である私は刑事事件としての処罰は望まない旨の上申書をお願いされたのです。
もちろん、こんなことでせっかく留学してくれた若者の経歴に傷がつくのはもったいないことなので、快く応じました。
そもそも私も家の前に置きっぱなしにしておくような、ボロ自転車です。誰かがくれと言えば、躊躇無くあげる程度のもの。

判子を押して、自転車を受け取って終わりです。
しかし今後も来ることがあるかもしれないので署内の各部署を散策させてもらいました。

いちばん身近なのは、交通課です。駐車違反やスピード違反で罰金を納付しにくることがありますからね(涙)
これが案外ずいぶん上の階にあります。

覚醒剤や薬物を担当する課は一番上の階(たしか7階だったか)の一番外れでした。薬物が蔓延している港区、それも六本木ですからさぞかしたくさんの警察官がいるのかと思っていると、小所帯で小さな町工場の事務所みたいな感じでした。

ノリピーのやっちゃダメがあちこち貼ってあった頃w



帰る途中、トイレを探しているとちょうど病院か歯医者の受付のようなスペースがあり、長いすに座っている人たちがいます。
座っているのがパンチパーマのチンピラ風情と情婦、キャバ嬢風情ばっかり(笑)

それが大人しく座っているのです。そして小さな小窓から「●●さ〜ん」と呼ばれて、小窓越しになにやらメモのやりとりや、コンビニ袋を手渡しています。

面白いので、その会話を盗み聞きしていると「差し入れ希望はリンスインシャンプー、エクレア、雑誌・・・」それをヤクザの下っ端が必死にメモをしています。

その三下が連れのキャバ嬢に、いちいち留置所の仕組みを説明しているのです。聞くところによると三食ともコッペパン、風呂(シャワーのみかな?)はあるが石鹸しかない、タバコは吸えないので甘い物がとにかく欲しい、取り調べまでは何もないから雑誌ぐらいしか暇を潰す娯楽がないとのこと。

しかしヤクザモノがリンスインシャンプーとエクレアの差し入れを希望するとは、隣で笑いころげそうになりました。
三谷幸喜の脚本にありそうな話ですけども、現実もなんじゃそりゃという感じです。

警察職員のような被疑者、ヤクザのような刑事、郵便局窓口のような交通課の脇にあるパーティションで囲っただけの生活安全課(麻薬取締)、そしてきわめつけは留置所の差し入れ窓口に並ぶ面々はずれっぷり。(夜の人たちを昼間みるだけでも異様です)

六本木の場末感を味わいたければ麻布警察へ



清原も麻布警察で過ごしていることでしょう。コッペパンとジャムかマーガリンぐらいのメシです。いまどきの学校給食の方がもっとマシなんじゃないでしょうか。

清原はDMMのCMに親が詐欺師のローラというタレントと出てましたが、DMMという急成長した企業も森喜朗(元首相)に近い企業であるという噂があります。政治的な圧力が今まで清原の逮捕を引き延ばしていたのかもしれないと疑います。

甘利正全経済再生相の暴力団?似非右翼?の口ぎき疑惑から、政治家の圧力が怯んだ隙に、警察が動いたのかもしれません。もしくは森喜朗への圧力代わりに見せしめで清原をまずは逮捕してみたとも見れます。

TPP、オリンピック事業での利権の奪い合いが水面下で激しくなっているのでしょう。甘利もそうですし、清原もカードの一枚にすぎないということ。

追記:ニュースでは警視庁本庁に収監されたようです。な〜んだ。
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満員電車がインフルエンザウィルスを運ぶ 
Tuesday, February 2, 2016, 04:05 PM
2/2 晴 10時 浅草での空間線量は18ベクレル/立法メートル

昨日から急に体調を崩して寝込んでおります。
倦怠感と食欲が湧かないと思っていたら、やがて猛烈な寒気に襲われて、暖房全開でも震えが止まりません。寝ても頭痛と高熱が断続的に起こります。

新宿方面に電車で行ったときにインフルエンザに感染したようです。

私の場合、普段は電車で移動することはないので感冒が流行していても、比較的かかりにくいのですが、先日はちょうど帰宅ラッシュの時間帯に電車に乗るはめになってしまいました。

おそらく、この電車内で感染したのでしょう。

国会議員や上級官僚、売れっ子タレント、プロスポーツ選手はお付きの車で移動するのが当然となっていますが、リスクを避けるためには電車を使わないことが一番だと言えます。

かたや電車を日常で使う我々は、感染症にはほとんど無防備といえます。
でも人混み、満員電車を避けて生きることはできないので、この時期に罹患するのは仕方がないか。

私のばあいはインフルエンザかなと思ったら、まず食べません。プチ断食です。

無理してお粥やうどんといった消化の良いものを口にしたとしても、体内ではウィルスに向けた抗体作りの真っ最中で、体内の酵素がすべてウィルスに向っているから、消化に回す酵素が欠乏している状況です。

体調が悪いと感じたら、身体の酵素が全力で働いてもらうようにまずは食事を抜くのは、そのためです。

つぎに、ミネラル分を補給します。ポカリスエットのようなスポーツドリンクでもいいのかもしれませんが、あれ結構糖分があって喉が渇きますから、ビタミンCが豊富な柿の葉茶やハーブティー、昆布茶などを飲みます。

あとはメッシュシート「氣傳効(きでんかい)」を敷いた布団で寝ます。

ただ、寒気に襲われてどうしようもない場合、膝下や半身だけ冷水をかけます。

寒気・熱があるのに冷水浴?



熱があるからと、解熱剤や感冒薬を服用すると、結局体内の酵素が働きやすい温度(38〜40度)に身体が高めてあるのに、その体温調整の機能を麻痺させてしまう結果となります。

足先だけでも冷水を浴びせると、身体(自律神経)が「あれっ、ちょっと熱を出しすぎたかな、ちょっと控えよう」と発熱を抑えてくれるのです。

とんでもなく冷たいですが、ふたたびよく眠れるようになりますし、寒気も消えます。
私なりのちょっと過激な療養方法の紹介でした。
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